たけちゃん

ストップ・メイキング・センスのたけちゃんのレビュー・感想・評価

5.0
考えるな!感じろ!Stop Making Sense!


ジョナサン・デミ監督 1984年製作
主演トーキング・ヘッズ


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
2月22日はジョナサン・デミ監督の誕生日でした!
ちょっとレビューが立て込んでいて(笑)、遅れてしまいました。このレビューに向けて、僕の中ではトーキング・ヘッズ熱が再燃し、ここ数週間ヘッズ漬けでしたね( ¯−¯ )フッ


まずはこのお話から
【ジョナサン・デミ監督のこと】
みなさんも同じ方、多いと思いますが、ジョナサン・デミ監督との出会いは「羊たちの沈黙」です。
企画「おすすめ娯楽ミステリー・サスペンス映画」で取り上げましたが、あの映画との出会いがサイコスリラーとか心理サスペンスものにハマるきっかけですから。僕の中でエポックメイキングな作品なんです。
そこで知ったのが監督のジョナサン・デミ。
この1作が傑作過ぎて、逆に苦しみましたよね。
どうしても期待しちゃうから。
一発屋なんて言われたりもしました( ᵕ_ᵕ̩̩ )

でも、ジョナサン・デミ監督って、音楽ドキュメンタリーにこそ傑作が多いんですよ。
特に、今回取り上げたトーキング・ヘッズの「ストップ・メイキング・センス」は素晴らしいんです。実は「羊たちの沈黙」よりも前の作品です!
ただ、当時はジョナサン・デミを知らなかった(>_<)
ただ、ヘッズのライブドキュメンタリーだと思って観てたんですが、とんでもない傑作映画でしたよ。
ジョナサン・デミの音楽映画は、他にもニール・ヤングやジャスティン・ティンバーレイクのライブなど、紹介したい作品がいっぱいです( ˘ ˘ )ウンウン


【トーキング・ヘッズとは】
トーキング・ヘッズは1977年に「サイコ・キラー」でデビューしましたが、この曲がなかなかの衝撃で。
「サイコ・キラー、ケスクッセ、ファファファファ~ファファ……」と歌われるサビが中毒性があって、たまらなく好き。
この「サイコ・キラー」って、実はあのヒッチコックの「サイコ」由来の曲で、英語とフランス語が交じる歌詞は、殺人者の二重人格を表していたそうです。

美大出身のインテリ集団とも言われるメンバーは
ヴォーカル、ギターのデビッド・バーン
ベースのティナ・ウェイマス
ドラムスのクリス・フランツ
ギター・キーボード担当のジェリー・ハリスン
ティナとクリスは夫婦で、1980年にはトムトムクラブという別バンドでも活躍し、人気でしたね。
なんだかんだ「ネイキッド」が出るまでアルバム買い続けたからね。お気に入りのバンドでした!


【トーキング・ヘッズ ディスコグラフィー】
1. サイコ・キラー'77(1977)
パンクバンドとして出てきたので、まだまだ荒削りだけど、センスは抜群に感じるよね。

2. モアソングス(1978)
このアルバムからプロデューサーにブライアン・イーノを迎えます。
これが個人的にはかなりの衝撃で!
元々イーノが大好きだったんですが、当時、トーキング・ヘッズとの接点が分からなくて。でも、それは次作でハッキリします!

3. フィア・オブ・ミュージック(1979)
個人的には1番フェイバリットなアルバム。
なんと言ってもオープニングトラックの「I Zimbra」がサイコーで。だって、この曲のギター、キング・クリムゾンのロバート・フリップが弾いてるんですよ!
さすがイーノって思いました。
当時、僕自身もアフリカンなリズムにハマり始めていたので、ホントにタイムリーだったんです( ˘ ˘ )ウンウン

4. リメイン・イン・ライト(1980)
おそらくグループのピークがこのアルバムだと思います。トーキング・ヘッズと言えばこのアルバムをあげる人も多いのでは?ジャケットも印象的ですしね。リズムの進化が著しい( ˘ ˘ )ウンウン

5. スピーキング・イン・タンズ(1983)
このアルバムを引っさげてのツアーが、このライブ「ストップ・メイキング・センス」ですが、個人的には音が洗練されすぎてしまいました。もっと泥臭いのが好きだったのにね。

6. リトル・クリーチャーズ(1985)
リズムのダイナミズムが感じられなくなり、このあたりから聴かなくなります( ᵕ_ᵕ̩̩ )

7. トゥルー・ストーリーズ(1986)
ガレージバンドのような作品。
僕も唯一買わなかったアルバム……。
バーンは映画も撮りましたが興味が湧かなかった。

8. ネイキッド(1988)
有終の美という感じで、久々に買いました!
スティーブ・リリーホワイトのプロデュースで、ワールドミュージック的な楽曲は割とお気に入りで、よく聴きました( ˘ ˘ )ウンウン




さて、映画です!
取り上げたのは「ストップ・メイキング・センス」
個人的に残念なのは劇場で観られなかったこと。
ミニシアター系で流行ったんですが、僕の住むような地方都市では公開されないよねぇ( ᵕ_ᵕ̩̩ )

この映画は音楽ドキュメンタリーではあるんですが、一筋縄ではいきません。きちんとした脚本のある計算された作品で、これはやっぱり映画だと思うんですよね。


ネタバレになりますが、実は、このライブ、曲が進むごとにメンバーが増え、舞台装置も増えて行き、どんどん完成していくんです。舞台がどのようにして作られるのかを見せる演出だったそうで、なんと舞台裏が丸見えなんですね。
これはスタッフも緊張感があったろうなぁ。
まさに全員でステージを作る!


オープニング
舞台には何もない
空っぽのステージ
まるで使われていないかのよう

無音でタイトルとスタッフロール
そして、デヴィッド・バーンの足元
スニーカーだけが映される

1曲目はデビュー曲「Psycho Killer」(1)
曲が始まって、初めてバーンの顔が映る
ギョロ目で、まるでニワトリのよう。
その姿はまさに「サイコ」

そして、2曲目「Heaven」(3)
ベースのティナが加わります!

3曲目でドラムのクリスが登場。
台に乗ったドラムも運ばれてきます。
曲は「Thank You For Sending Me An Angel」(2)

4曲目でメンバー最後のジェリーが出てきます。
トーキング・ヘッズの完成です( •̀ω•́ )و✧
曲は「Found A Job」(2)
演奏している後ろでスタッフがソロソロと道具を運んでいる姿が映り込んでいて、なかなかに面白い( ¯−¯ )フッ

5曲目でパーカッションとコーラスが加わりました!
曲は「Slippery People」(5)
バーンとコーラスのヘンテコダンスがサイコー!

そして、6曲目はヒット曲「Burning Down The House」(4)。バンド唯一のトップテンヒットです。
ここでキーボードのバーニー・ウォーレルとギターのアレックス・ウィアーが登場。
バーニー・ウォーレルって、僕の大好きなP-ファンクバンド、パーラメントやファンカデリックの主要メンバーで、本当に独特の音作りをする人でした。彼がいるだけで信頼出来るほど。この参加も嬉しかったなぁ。惜しくも2016年に癌で亡くなりました。

7曲目の「Life During Wartime」(3)はバーンのヘンテコダンスをぜひ堪能してください( •̀ω•́ )و✧

小休止の後
8. 「Making Flippy Floppy」(5)
ここからステージにライティング演出が加わります。

9. 「Swamp」(5)
とぼけたリズムが面白い1曲。

10. 「What A Day That Was」
スライドギターがカッコイイなぁ。
この曲はライティングの演出が素晴らしいの。
光と影のコントラストがサイコーね。
撮影も計算されているよね。1番ジョナサン・デミを感じて欲しい( ˘ ˘ )ウンウン

11. 「This Must Be The Place」(5)
バックに本棚が映され、それが夜景に変わる。
まさに「僕がいたい場所」
ライトスタンドとのダンスが素敵!

12. 「Once In A Lifetime」(4)
この曲はリズムトラックがカッコよすぎて!
これもバーンのヘンテコダンスが楽しめます(笑)

13. 「Genius Of Love」トムトムクラブ
来ましたね。トムトムクラブ!
アルバム「リメイン・イン・ライト」のストレスなのかドラムのクリスとベースのティナの夫婦バンド。このバンドにはキング・クリムゾンのエイドリアン・ブリューが参加していたり、個人的にもかなり好きでしたね。実は本家のトーキング・ヘッズよりも大ヒットしました。

14. 「Girlfriend Is Better」(5)
出ましたデカジャケット!
デヴィッド・バーンと言えばこのスタイルですよね。

15. 「Take Me To The River」(2)
ブルーで色付けされたステージ
そこはまさに川の中
引きで撮るとコンサートライブに戻るんだよなぁ。
そして、メンバー紹介されます。

16. 「Crosseyed And Painless」(4)
ラストは凄いです!
もう、バンドバトルかと言うほどのエキセントリックな演奏で、ノリノリです。これはたまらん!この曲はスタジオ版を超えてるなぁ。
最高の演奏です( •̀ω•́ )و✧



あぁ、何度観ても素晴らしい。
トーキング・ヘッズなんて知らないよって方も多いと思うんですが、ジョナサン・デミ監督を偲んで、ちょっと手に取ってみませんか?