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地上最大のショウのtjZeroのレビュー・感想・評価

地上最大のショウ(1952年製作の映画)
3.7
超巨大なサーカス団の巡業の模様を描く。

そのスケールは破格で、団員が1400名、🐘が2~30頭はいたし、🦁や🐯や🦍や🐴もウジャウジャ。

まるで、動物園を引き連れているかのような陣容を連結する貨物列車に詰めこみ、全米を興行して廻る。

大テントを設営するスタッフの下働きをドキュメント風に丁寧に見せてから、具体的なアトラクションの紹介に移っていく。

空中ブランコや、様々な動物たちによる曲芸、🤡による寸劇など…多彩なブログラム。
合い間には、ディズニーランドで行なわれているような大掛かりなパレードまである…っていうか、むしろDLの方がこうした昔なつかしいサーカスのパレードを再現しようとしているんだな、と気づかされた。

同時進行する人間ドラマとしては、メインステージを争うライバル同士のいさかいとか、恋のさや当て、詐欺師による興業の妨害…などなど、こちらも盛りだくさん。
中でも、名優ジェームズ・スチュワート演じる🤡が出色。舞台上でもそれ以外でも、絶対に🤡のメイクを落とさず、劇中ずっと白塗りのまま。
その理由というか、真相がクライマックスの『レ・ミゼラブル』ばりの感動ドラマに活きてきて、忘れがたい印象を残す。

そのクライマックスは、『十戒』、『クレオパトラ』、『サムソンとデリラ』などなどの大作で知られる、セシル・B・デミル監督らしい大スペクタクル。
半世紀以上前の製作とはとても思えない大惨劇に、思わず呆気にとられる。
それまでのニコニコ&ほのぼのムードの作品のバランスを崩しかねないくらいの惨劇ぶりなんだけど、そのコントラストによって”SHOW MUST GO ON”の精神で立ち上がる団員たちの不屈のガッツが力強く浮かび上がってきて、エンディングに炎を灯している。
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