プレイボーイ？な給仕の話。
アレックスはジルベールの言う通り他人に興味がない薄情な男？いやいや引き際の潔さや、女性に対してのきめ細かな思いやりがある男？そのせいで良くも悪くも出会いと別れが多い人生。
イヴモンタン務める給仕長は騒がしい厨房やホールの中でも品があり、落ち着いた口調や表情がとにかく渋くて素敵だった。

パリの大きなレストランで働く初老の給士長アレックスの恋愛模様と夢の遊園地作りへの日々を描いた軽快な作品。

とにかくイヴ・モンタンのギャルソン姿が格好良くて惚れぼれ！
もうこれだけで観る価値があったというもの。
長回しでテーブル間をまるで踊るように優雅に立ち回る流れは本当にお見事でした。
吸い止しのタバコを棚に置いといて、通り間際に一服する姿の絵になること。
あんなおじ様ギャルソンがいるお店なら是非とも行ってみたいものだわ。

お年は召しておりますけれども、フットワークは軽いしジェントルマンなので、まぁモテるモテる。
しかし、なかなか厄介なもので恋人がいたり、旦那がいたりの相手ばかり。
長くは続かないのです。
(無意識にそういう相手を選んでいるようにも思えるけれど)
しかしながら、そんな別れの場面になっても『あんな男のどこがいいんだ？行かないでくれ』なんて女にすがりついたりはしないのです。
『確かに彼はイイ男だし、きみを大事にしてくれるからね』なんて言っちゃえるわけです。
経験を重ねてきた大人だからこそ言える心の余裕で格好良いんですが、ここぞという時には余裕を無くすくらい必死に掴まえていて欲しいときもあるんですよねぇ…女ってめんどくさくて申し訳ないねっ！笑

アレックスと同じレストランで働く友人で居候のジルベールがまたアレックスとは正反対のずんぐりむっくりのオッチョコチョイで凸凹コンビなのが楽しい。
演じるジャック・ヴィルレは『クリクリのいた夏』とか『奇人たちの晩餐会』にも出ていた見た目からしてコミカルな人で、彼が演じるキャラクターはどれも好きだ。
画面に映る存在感がズルいわ。

アレックスは終始軽快に人生を謳歌しているようだけれど、ラスト間際に彼がふと見せた表情が切なく、ちょっぴりほろ苦い。
それでも彼は今後の人生も軽やかに舞い踊り、周囲にたくさんの笑顔を生み出していくのだろうと思える素敵なラストシーンでした。

悩み

パリのレストランを舞台に、そこで働くギャルソンたちの日常を描くドラマ

愉快な話

賑わってる
料理もあります

いろんな人が

過去
恋や友情

人間模様が良かったです