友情の作品情報・感想・評価

「友情」に投稿された感想・評価

変にベタベタしないが何事があっても変わらない大人の友情を描いた作品。工場を営むヴァンサン(イブ・モンタン)、医者のフランソワ(ミシェル・ピッコリ)、作家のポール(セルジュ・レジアニ)の三人は古くからの親友同士。週末には他の友人も交えて朝食したり仲良く過ごす間柄。

しかし、それぞれ会社倒産の危機と妻との別居に健康問題、多情な妻への不満、進まない執筆など様々に深刻な悩みを抱える。時に悩みを打ち明けながら、暴言をはいて怒りをぶつけたり、急な事態が起こっても…それでも、普段と変わらない信頼関係と思いやり。日常のなにげないストーリーですが、心がほっこりするそんな作品です。『ギャルソン』『夕なぎ』のクロード・ソーテ、フィリップ・サルド音楽、主演にモンタンの鉄板トリオ。
2月23日はフランス映画の中でも特に大人な雰囲気で詩情的な作品を残した巨匠クロード・ソーテ監督のお誕生日!
生きていれば今日で94歳に。

74年にジャン・コクトー賞を受賞したソーテ監督の代表作『友情』は、
当たり前のように日常に存在する友情の姿を淡々と描いた傑作であります。

原題『Vincent, Francois, Paul et les autres』(ヴァンサン、フランソワ、ポール&その他)の通り、
休日には旧来の親友たちが集って子どものようにふざけ合い、
それぞれの苦悩や葛藤が見え隠れする日常生活を切り取った人間ドラマ。

その主軸となるのは激渋な哀愁を漂わせるイヴ・モンタン演じるヴァンサン。
モンタンは個人的にメルヴィル作品『仁義』の役柄が印象的ですが、
同じくメルヴィル作品『犬』で共演したピコリがフランソワ、レジアニがポールを演じ、
前年『バルスーズ』で名を上げたばかりのドパルデューがその良き後輩を演じます。

また『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』ではピコリと共演したステファーヌ・オードランがヴァンサンの別居妻、
マリー・デュボワはフランソワの不貞妻を好演し、
この豪華なキャスト陣で綴られる大人たちの何気ない絆は自然と観客たちの心を奮わせるのです。

仕事もプライベートも健康もドン底な男ヴァンサン。
妻の不貞に苛立つ開業医フランソワ。(ピコリは妻を寝取られる役が本当によく似合う)
スランプから抜け出せずにいる作家ポール。
ヴァンサンの工場で働くボクサーのジャン。(この頃のドパルデューはまだめっちゃ良い体躯)
ヴァンサンと別居中の良妻カトリーヌ。

男の友情を敢えてドラマチックに描かないことで、その絆の美しさを際立たせた本作は当時のフランス映画だからこそ演出し得た美徳の権化とも云えるでしょう。
心にしみわたる良い映画だ。
立川志らくの「結婚は契約を伴うが、友情には契約はない」という言葉が、正にこの作品に一貫して流れるモチーフだね。
ドパルデューがボクシングをやめると言い出した時のモンタンの態度はとりわけ泣けた。

といっても日常を理想的にきりとっているわけでなく、たとえば八方塞がりになったモンタンがそこにきてやっと心的に妻を頼るくだりや、周りを見下しているピコリが周りを必要としたりとか、人間が抱える弱さや胡散臭さや矛盾と延いては素晴らしさを描ききっているところ、そしてまたそれをドラスティックでなくさりげなく語っているところに感激を覚える。

『夕なぎ』も凄く良かったけど『友情』はより素晴らしい傑作だ。
イヴ・モンタンとその友人のレジアニ、ピコリ、ドパルデューとそれぞれの妻、愛人、友人たちの互いの心が離れたり、近づこうとしたりする話。
傑作。会話のテンポが異常にはやく、トリュフォーがこの映画を大好きなのも納得。

窓越しとかガラス越しで、登場人物がサイレント映画的にふるまうとこトリュフォーっぽい。あと、ガラスに反射した映像の使い方が巧い。冒頭のカトリーヌとの電話シーンがそう。

最初から最後まで画面に一切登場しない登場人物について、固有名詞でベラベラしゃべるのも特徴。これ、彼らの友人関係の歴史とか広がりをあっさりこれで演出できてしまう。

しかしこの映画のイヴ・モンタンの年=たぶん50くらい になって、愛人も妻も仕事も一気に失うのはつらい・・・ 子供もいないし。 自分の人生に置き換えるとヤバい。 多分俺は50になっても風俗に行きまくっているだろうがむなしくなりそう。どうしよう。

ラストの希望くらいもってもいいじゃないか ってせりふ好き。 ええやんか。でも、希望というよりは期待としたほうがなんかダメージが少ない。
期待くらいしてもいいじゃないか。
メインである三組の夫婦の境遇も決して特別なものではなく(シナリオ)、作品も全体的にこれといった凹凸もない。

しかしこれが妙に響いてくるんですね~
監督の演出というより、これはもう完全に俳優陣の演技力だったという気がします。
今観たらまた違う印象を受けるかもしれません。
40代以上の中高年にお薦めの作品。
傑作でした。
ドパルデューが痩せている。若い!
最後の4人の映るシーンは特にいいよ。
サヴァッ
USK

USKの感想・評価

4.7
「思えばいい映画だったなぁ」

鑑賞後そんな事思っちゃいましたよぉ。

とてもいい終わり方なんだけど観てるこっちは切ない。

「もぅ終わりかぁ〜。もっとこの仲間たち(映画の登場人物)と一緒に居たかったなぁ。。」

こんな事思わせてくれる映画はなかなか無いですよ。

これがハリウッド作品だったらまた違うものになっていたでしょう。

フランス映画ならではの演出、舞台、登場人物だったからこそ!ってところも多々ありましたね。

〜あらすじ〜
ヴァンサン、フランソワ、ポール昔馴染みの三人は中年になり、それぞれ悩みを抱えていた。工場で働くヴァンサンは妻と別居。医者のフランソワは妻の浮気。作家のポールはスランプに陥っていた。そんなある日ヴァンサンの工場が倒産にまで追い込まれ、ヴァンサンは人生の危機に立たされるというもの。

まぁヴァンサンをメインとした日常を観させられるような感じです。

このヴァンサン役を演じているイヴモンタンが凄くいい味を出してるんです。

無邪気な笑顔に心奪われます。こんなに笑顔でやられたのは『暴力脱獄』以来です。

DVDを手元に置いておきたいほど愛おしい作品です。

是非ご覧ください。
takashi

takashiの感想・評価

4.0
名作。
日常の日常を描く、フランスの王道。
細かい動き、表情がとても良く、感情移入してみちゃう作品。
ただ一緒にいる=友情
いずみ

いずみの感想・評価

4.0
派手さがない、淡々とした男の絆を描いた隠れた秀作。
イヴモンタンやミシェルピッコリなどのフランス映画界の名優揃い。フランス映画らしい。
実はドラマチックな友情なんて少なくて、でも確かに存在するものなんだと、不思議と納得してしまった。邦題の妙ですな。
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