友情の作品情報・感想・評価

「友情」に投稿された感想・評価

心にしみわたる良い映画だ。
立川志らくの「結婚は契約を伴うが、友情には契約はない」という言葉が、正にこの作品に一貫して流れるモチーフだね。
ドパルデューがボクシングをやめると言い出した時のモンタンの態度はとりわけ泣けた。

といっても日常を理想的にきりとっているわけでなく、たとえば八方塞がりになったモンタンがそこにきてやっと心的に妻を頼るくだりや、周りを見下しているピコリが周りを必要としたりとか、人間が抱える弱さや胡散臭さや矛盾と延いては素晴らしさを描ききっているところ、そしてまたそれをドラスティックでなくさりげなく語っているところに感激を覚える。

『夕なぎ』も凄く良かったけど『友情』はより素晴らしい傑作だ。
イヴ・モンタンとその友人のレジアニ、ピコリ、ドパルデューとそれぞれの妻、愛人、友人たちの互いの心が離れたり、近づこうとしたりする話。
傑作。会話のテンポが異常にはやく、トリュフォーがこの映画を大好きなのも納得。

窓越しとかガラス越しで、登場人物がサイレント映画的にふるまうとこトリュフォーっぽい。あと、ガラスに反射した映像の使い方が巧い。冒頭のカトリーヌとの電話シーンがそう。

最初から最後まで画面に一切登場しない登場人物について、固有名詞でベラベラしゃべるのも特徴。これ、彼らの友人関係の歴史とか広がりをあっさりこれで演出できてしまう。

しかしこの映画のイヴ・モンタンの年=たぶん50くらい になって、愛人も妻も仕事も一気に失うのはつらい・・・ 子供もいないし。 自分の人生に置き換えるとヤバい。 多分俺は50になっても風俗に行きまくっているだろうがむなしくなりそう。どうしよう。

ラストの希望くらいもってもいいじゃないか ってせりふ好き。 ええやんか。でも、希望というよりは期待としたほうがなんかダメージが少ない。
期待くらいしてもいいじゃないか。
メインである三組の夫婦の境遇も決して特別なものではなく(シナリオ)、作品も全体的にこれといった凹凸もない。

しかしこれが妙に響いてくるんですね~
監督の演出というより、これはもう完全に俳優陣の演技力だったという気がします。
今観たらまた違う印象を受けるかもしれません。
40代以上の中高年にお薦めの作品。
傑作でした。
ドパルデューが痩せている。若い!
最後の4人の映るシーンは特にいいよ。
サヴァッ
USK

USKの感想・評価

4.7
「思えばいい映画だったなぁ」

鑑賞後そんな事思っちゃいましたよぉ。

とてもいい終わり方なんだけど観てるこっちは切ない。

「もぅ終わりかぁ〜。もっとこの仲間たち(映画の登場人物)と一緒に居たかったなぁ。。」

こんな事思わせてくれる映画はなかなか無いですよ。

これがハリウッド作品だったらまた違うものになっていたでしょう。

フランス映画ならではの演出、舞台、登場人物だったからこそ!ってところも多々ありましたね。

〜あらすじ〜
ヴァンサン、フランソワ、ポール昔馴染みの三人は中年になり、それぞれ悩みを抱えていた。工場で働くヴァンサンは妻と別居。医者のフランソワは妻の浮気。作家のポールはスランプに陥っていた。そんなある日ヴァンサンの工場が倒産にまで追い込まれ、ヴァンサンは人生の危機に立たされるというもの。

まぁヴァンサンをメインとした日常を観させられるような感じです。

このヴァンサン役を演じているイヴモンタンが凄くいい味を出してるんです。

無邪気な笑顔に心奪われます。こんなに笑顔でやられたのは『暴力脱獄』以来です。

DVDを手元に置いておきたいほど愛おしい作品です。

是非ご覧ください。
takashi

takashiの感想・評価

4.0
名作。
日常の日常を描く、フランスの王道。
細かい動き、表情がとても良く、感情移入してみちゃう作品。
ただ一緒にいる=友情
いずみ

いずみの感想・評価

4.0
派手さがない、淡々とした男の絆を描いた隠れた秀作。
イヴモンタンやミシェルピッコリなどのフランス映画界の名優揃い。フランス映画らしい。
Yomogi

Yomogiの感想・評価

-
実はドラマチックな友情なんて少なくて、でも確かに存在するものなんだと、不思議と納得してしまった。邦題の妙ですな。

このレビューはネタバレを含みます

クロードソーテの友情



 2012年4月18日 17時54分



1974年ジャンコクトー賞受賞作品。脚本監督クロードソーテ。

本作全くノーマーク。ビデオ屋の分かり難い棚、一番下の段、スミに見つけ出した。

旧作だけど新作新品DVD。
いわゆるジャケット買い鑑賞作品、予備知識無し。

そそられたのは裏ジャケ。映画大好きな落語家で映画コラムも大好評な立川しらくさんのコメント

「、、あなたが日本人であるかどうか、この映画を見ていただければわかると私は思う。」

のなかなか刺激的なコメントからIVCDVDレンタルとなりました。



やはり本当に素晴らしい作品に出会えたので立川さんにお礼を申し上げたい。

フランス映画というのは、はっきりアメリカ映画と違って素晴らしい余韻を頭に残してくれます。この感触は、邦画にもない、アメリカ映画にもない、欧州特有のブレインタッチともうしましょうか。

フランス映画特有なんですよねーー。だから特別な魅力が生まれます。

私はフランス映画というのは、

日本映画やアメリカ映画に疲れた時に

箸休め的に見ている感覚といえばいいんでしょうか?フランス映画との距離は、まさしくそんな感じ。

あいまいとして時に饒舌なおしゃべり
やわらなか感性とせきららに語る趣
論理性とは対局な哲学的難解さ、論理性と延長的長さと私情性

とでも言えましょう。

本作クロードソーテの「友情」は

肌触りは
まるで

邦画に 例えるなら

松竹のサラリーマン物のフランス版のよう

そして大好きな日本四大巨匠の一人成瀬巳喜男の大人達周辺のストーリーラインのような
印象です。

しかし本作に見るクロードソーテの「友情」は、

しらくさん曰わくの

日本人であるか

というより

我々大人がかかえる、あまりにもありふれた、日常における 

大人のつきあい
大人の事情
大人の悩みとラブが、

普通な感じで迫ってきます。まるで日本の昼メロのよう。

派手さも
色恋ドロドロも
かっこつけも
凡百の映画が描くけったいなつまらない死や殺人も
ぎゃーすか騒ぐ痴話げんかも
過剰なうるさい音楽も
時制があっちこっちに飛び回ったりなんて

一切ありません。

我々の日常どおりの

素晴らしい俳優
素晴らしい日常
素晴らしいつまらない沈黙
素晴らしいラブ
素晴らしい冷ややかな「目」

が詰まっています。

何回か彼等の関係に涙がつたいます。

中でも本当に素晴らしい

「ラブ」

素晴らしい「ジュテーム」が

僕の心に

響きました。

本当に久々に

「ジュテーム」の素晴らしい響きが

僕の胸に突き刺ささりました。

何気ない、「ラブ」ってたいせつだよなって感じましたね、、、。
もしかすると本作の中で一番強い関係性を二人は示したのかもしれません。
本当に何気ないシーンに本作は、心を奪われてしまいます。

それはひとえに素晴らしいフランスの名優達の

素晴らしい表情をする主役イヴモンタン
まるで可愛いおじさんセルジュレジニア
悪役でよく魅せてきたミシェルピコリ
本作の若手である、また実際若きジェラールドパルデュー

それぞれのキャラクター
いつの間にかわかりうる関係性の脚本具合

物語は解説しませんが、本当に大人のドラマ、さながらR40、50指定のようなビターな物語。

そんな友情

そんな素晴らしい日常を

みたいかたに

必ずみてほしい本当に素晴らしい作品でありました。

画面も常に灰色だし
明るいとはいいきれない雰囲気
粋な音楽はときおりしかかからない

ですが、

私はクロードソーテから

素晴らしい友情と関係性とラブアンドヘイトを魅せて貰った気がします。

これは、普通のドラマでありながらも素晴らしい沈黙と目線が見られる映画だと思います。



さて、
是非クロードソーテの友情で

あなたは何が見えますか?

追伸
クロードソーテ「夕なぎ」をビデオ屋であったので見てみよう。

これだからフランス映画は、素晴らしい、そして大好き、、、そんな一作。