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クスクス粒の秘密
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『クスクス粒の秘密』に投稿された感想・評価

ロマンス物を想像していたら『🇫🇷労働階級のフランス人(本作の主人公はチュニジア移民)の日常』をリアルに描いた個性的な社会派作品📽ですたヽ(´▽`)/🎶✨見分けのつかない大家族(そして登場人物が多い💦)も自然と理解出来👉🏻クライマックスのダンスシーン💃🏻の熱量がすごい♨️✨作風の好みはあれど、ココロ温まる良作

【🇮🇹ベネチア国際映画祭(審査員特別賞)、🇫🇷セザール賞(作品賞・監督賞・脚本賞・若手女優賞)など各賞8部門受賞🏆✨ベネチア国際映画祭(🦁金獅子賞・女優賞・男優賞)、セザール賞(編集賞)など各賞9部門ノミネート】
これは、久々にやられました♪
ラストに画面が暗転した瞬間の、鳥肌と震えが止まらず、音楽を聞きながら暫く動けませんでした・・・

移民大国フランスに於ける、移民の立場や現状を、「家族」という社会の最小単位をモチーフ(暗喩)にして、社会問題として提示する『別離』系の映画です

やや長尺ながらも、会話がとにかく活きている!

というか、会話だらけの150分
しかし、さすがは『アデル、ブルーは熱い色』の監督さんだけあって、その言葉一つ一つに込められた熱量に魅了されるんですね、例えば、役者Aの話終わりと、役者Bの話始めがカブるとか、リズムも含めて、台本のセリフというより、言葉自体が生きてるんです

クスクスを食べながら、大きな口を開けて笑う
とか、それ以前に
口の回りに食べカスが付くほど(←汚)がっついて食べる
とか、ほんとにお腹が空いて食卓に着いた、なんでもない家族の、なんでもない食事風景は、まるでドキュメンタリーさながらの臨場感です・・・

寡黙な父親と
元妻、そして数人の子供たちと、またその家族
現在の恋人と、その娘

少し複雑な環境ながらも
これこそが移民社会の縮図なんですね・・・

後半はとにかく、衝撃でした
現在の恋人と、その娘が「移民の立場」(よそ者)として描かれていると思って観ていたので、それは実際にそうなんですけど、「さらに底辺の移民の立場」が存在していたとは想像もしなかったので、あの人の(あえて名前はふせます)涙と叫びの、長い長い苦痛と苦悩の吐き出しが壮絶でしたね

それは、まさに、冒頭で主人公が感じていた感情と同じなのではないだろうかと・・・

口数の少ない静かな主人公が、声にできなかった叫び

その抑え込んだ感情

一番底辺の移民達の心情

この苦しみは、いつ、報われるのか・・・

小さな嘘が、大きな破綻を招く
負の連鎖によって、鬱屈が溜まる怖さを感じた

それが、船上という小さな空間で(暗喩によって)全て表現できてるのが、とにかく凄い!
父も、母も
手伝う家族も
招かれた客も
なかなか輪に入れない恋人と娘も
クスクスも、音楽も、改装されたボロ船も
フランスという国家であったり
フランス人であったり
移民であったり
全てが何かの象徴であるんですね

その、現在抱える問題と危うさを提示しながら、即興のダンス(祖国の魂)と、思いもしない差し入れによって、「救い」という形で、この国自体の未来の可能性を示唆しているところに、映画の最大のメッセージを感じました

ラストの暗転のタイミングが絶妙!

時間がある時に、是非観てください♩
emily

emilyの感想・評価

4.5
港町セートの湾岸労働者で、チュニジア移民の60代の無口な男スリマーヌは職場でも疎ましく思われていて、元妻との間には子供も孫もたくさんおり大家族であるが、居場所はない。彼は船上レストランを計画し、恋人の娘リムが親身になってくれ、スリマーヌの言葉の足りないところを補ってくれるが、なかなか許可はおりない。そのため開店前にお披露目のパーティを開くことにする。家族総出で手伝い、クスクスは元妻が作るが、クスクス粒が見当たらない。それぞれ今できることをやり極地を抜け出そうとする。

「アデル、ブルーは熱い色」で話題を呼んだA・ケシシュ監督作。寡黙な男に対照的によくしゃべる女性たち。今作のほとんどが会話劇で成り立ち、そのほとんどがクローズアップで、それぞれの顔を捉えていく。移民族のコミュニティーが食事とともに繰り広げられる。

夫の浮気による夫婦喧嘩に、義姉や義兄などが干渉し、息遣いまで聞こえてくる、口論はリアリティがある。女のヒステリックな部分を随所で見る、特に長男と嫁の夫婦喧嘩には胸が苦しくなるが、その緊迫感と浴びせる言葉があふれだした水のように沸いてくるのが素晴らしい。

ドキュメンタリーのように会話の中の妙な空気感とそこに置かれる男性の刹那を映し出し、家族の団結の強さを見る。そんな不穏感を払拭するようにアラブ音楽が動きを出し、陽気な空気を流していく。そうして後半にかけては、静かに淡々と進んでいた前半から畳みかけるように、皮肉に物語が転がり始める。家族総出で協力するが、長男の行動によりクスクス粒がないというピンチに。全員ができることをする。それは自然な行動で、どんなに文句を言っていても、家族が深い愛で結ばれていることを、リブのベリーダンスで見ることになる。

彼女はこのベリーダンスのために15キロ太ったそうで、その立派なお腹のアップに魅せられる。顔よりも腹のアップ。そのインパクトは見終わった後もずっしりと脳裏に残る。ふくよかだが引き締まっている、そこから滴る汗、細やかな動き、そうして揺れる肉体に全員が釘付けになる。ふくよかな肉体美、生ぬるい空気が画面越しにも伝わってくる。

父がバイクを追うところはクローズアップではなく、しっかり動きを見せる。だからこそ、その動きの中でぷっつりと切られるようにラストを迎える、その突き放した感がたまらなくいい。一方で音楽とダンスが響き、滴る汗。なんとも言えない人生の皮肉と普遍的な人間の”生きる”様を見る。人のいろんな側面が交わり、生み出される奇跡も悲劇も、それもまた人生なのだ。

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