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BLOOD THE LAST VAMPIREのろいろいのレビュー・感想・評価

BLOOD THE LAST VAMPIRE(2000年製作の映画)
3.8
💠favorite line💠
"あんたは運が良い。あたしは人間を殺すことができないんだ。"

🎞️catch phrase🎞️
『斬る―それが少女の宿命』

🎞️story&information🎞️
1966年、ベトナム戦争真っただ中の秋。
人間社会に潜む吸血鬼”翼手“を退治する為、”組織“によって、ハロウィンで賑わう横田基地内のアメリカン・ハイスクールに送り込まれたヴァンパイア・ハンター・小夜。
彼女が闘う理由は…。たったひとつの手掛かりは、1枚の写真。その中には――。


監督は北久保弘之。

2000年11月18日劇場公開されたアクションホラー作品。上映時間は48分。
本作品は製作費の一部を国が負担していることが特徴。
また、世界初の劇場用フル・デジタルアニメーションと謳われており、Production I.Gの長編作品では本作品が初のデジタル作品となった。
舞台がベトナム戦争中の横田基地であることから登場キャラクターの多くがアメリカ人であり、台詞が英語で日本語字幕のつく場面が多いことも特徴。

ちなみに、本作品は1996年にProduction I.Gに押井塾が結成された事に端を発している。
毎回提示されるテーマにそって企画の提出が課題とされ、第8回に提示された課題が「吸血鬼」であり、神山が提出した企画が「LAST VAMPIRE Desmodus rotundus」であった。
そして、押井塾の第2回合宿の際に、神山が提出した当初企画と、藤咲が提出した月光鬼譚、さらに別途神山が徹夜して書き上げたLAST VAMPIREらを元に、合宿に参加していた押井守と北久保弘之らで徹夜の激論が交わされ構想が練られていった。
当初、神山や藤咲およびその他大勢の押井塾若手らによって通常業務の合間を縫って製作される内部向け作品だったが、途中試作レビューにおいて極めて高く評価され、後に3年の年月と複数人の参加・協力を経て公開作品化される事となったことでも有名。

🎞️review🎞️✐✐✐✐✐✐
少女と怪物が繰り広げる戦いを描いたホラーアクション作品。

高い完成度と制作側のレベルの高さを感じることができる逸品。
というより制作メンバーを観て驚愕した👀精鋭すぎる!!!!
BLOODシリーズの原点にして、押井監督の暗さと神山脚本が光るアクションホラー。

ストーリーは
ベトナム戦争最中の横田基地内のアメリカンスクールを舞台に、セーラー服を身にまとった謎の主人公が、怪物と闘うというもの。
もちろん米軍基地内の話なので、キャラクターはほぼアメリカ人。作中は英会話が多め。
英会話のセリフ回しはやや陳腐であるものの、字幕で表現することによって話が頭に入りやすい。

"怪物"×"制服少女"×"日本刀"という一見するとベタでありながら、圧倒的な展開力と重厚な作画で、至高の作品たらしめている。
ただ、キャラデザで好き嫌いがわかれると思う💦
というのも、本作の登場人物は敢えて魅力のない感じに設定されている。
主人公の『非情さ』と『人間と人間ではない何かの狭間』を最大限引き出すために主人公の詳細な情報もほぼでてこない。
なので、キャラデザの好みは分かれると思うけど、登場人物に魅力がないという批判はナンセンス😵
むしろ、敢えてを主人公の情報を隠している点が魅力的。

設定も一見陳腐のように感じるけど、よく考えられている。
刀の利点である"切る"行為と吸血鬼の体は非常に相性が悪い点等々、よくよく観察すると練られた設定が見受けられた。

ちなみに、この作品は後にタランティーノ監督などに影響を与えることになったことでも有名で、日本を代表するアニメ作品のひとつ。


上映時間の少なさからストーリーが物足りない面もあるけど、始終尖っていて圧巻される本作はぜひ皆にも観て欲しい!!

⚠️タイトルからわかるように血が多いから苦手な方は注意⚠️

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story:映画.com参考
information:Wiki参考
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