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花束みたいな恋をしたのろいろいのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.8
💠favorite line💠
"女の子に花の名前を教わると、男の子はその花を見るたびに一生その子のこと思だしちゃうんだって"

🎞️catch phrase🎞️
『何かがはじまる予感がして、心臓が鳴った――。』

🎞️story&information🎞️
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った山音 麦と八谷 絹。
好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。
近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが――。


監督は土井裕泰。

2017年にとある授賞式。
菅田将暉と久しぶりに顔を合わせた脚本家の坂元裕二が「また一緒に仕事がしたいね」と声をかけ、
後日、菅田が「ラブストーリーをやりたい」と申し出たのがきっかけ。

恋人同士の5年間を演じた菅田将暉と有村架純は撮影中、遠慮せずに距離を縮めたらしい。
約1カ月半という撮影期間の間、ほぼ毎日、朝から夜までずっと一緒にいたとのこと。

ちなみに、広告や予告において使用されたAwesome City Clubの「勿忘」は、
「本編の解釈の中の1つ」というインスパイアソングとして映画の完成後に制作されたため、本編やエンドロールでは一切流れていない。

🎞️review🎞️✐✐✐✐✐✐
2021年に上映された恋愛作品。

菅田将暉演じる山音麦と有村架純演じる八谷絹による5年間の関係性の変化を描いた秀逸な恋愛物語。

リアリティー溢れる若い男女の関係をよく描けている。
しかも、登場する映画作品、歌、小説、漫画の固有名詞が秀抜。

丁寧に描かれる2人の出会い。
きっかけが押井守なのは笑ってしまった。
本人カメオ出演なのも笑ってしまった。

少し地味でサブカル好きな2人。
決して華やかとは言えない2人。
そんな普通の2人が互いに相手の事を意識し、同棲を始めていく過程にリアルさを感じれる。
あー…カップル成りたてはと何も考えないでヤるよな
あー…最初は何をしても笑顔になるよな
あー…そうやって喧嘩って始まるよな
あー…若い頃ってそうだったよな
と、妙に直視できないリアルさがあった。

けど、楽しいことは永遠に続かない。
どうしてもお金の問題がまとわりついてくる。
徐々に社会に染まる麦と他の人に心が動きそうになる絹。
真近で相手の趣味・思考が変わっていくのがわかるからこそ出てくる亀裂。

自分は男だから、山音麦にとって大好きだったものが「そんなもの」に変わっていく様は心当たりがある。
本当は2人とも一緒にいたいのに、すれ違う2人。
でも最初から2人は別れる運命だったのかもしれない。
ずっと現状維持で一緒にいると思っている麦と恋には終わりがあると考えてる絹とには少しだけズレがあったのかもしれない。
そして現状維持したい麦が変わり、皮肉にも絹が変わらなかった。

作品の中で2人は映画、小説、音楽、お笑い、ゲーム等々色んな話をして、感情を共有していく。
そんな思い出という名の、恋人を思い出してしまう「花」を彼らは1本ずつ紡いでいき、大きな「花束」にしていった。
そんあ花束を枯らさないように、彼らは大切に心に留めておくために最後はあの決断をしたのだと思う。

2人の柔らかいラブストーリー、大学~社会人1年目の頃に恋愛した人にはぜひ見てみて欲しい。

以下余談。
・劇中で名前が出てこなかった花は「白いマーガレット」らしい。花言葉は「秘めた愛」。
旅立ちなどに贈る花としても使われるらしく、その場合の花言葉は「優しい思い出」。そして「私を忘れないで」。
・『恋愛』作品にドラマチック、ロマンティックな展開を求める人には合わない作品かもしれない。
・深海誠っていつポスト宮崎駿になったのですか?

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story:amazon prime参考
information:Wiki参考
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