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パラサイト 半地下の家族のろいろいのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.7
💠favorite line💠
"최고의 계획은 무계획이다.아무것도 계획하지 않으면 실패하지 않을 수 있다."

🎞️story&information🎞️
仕事も計画性もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。
大学受験に落ち続ける息子ギウ。美大を目指すが予備校に通うお金もない娘ギジョン。
しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“半地下住宅”で暮らす貧しい4人家族だ。
「僕の代わりに家庭教師をしないか?」ギウはある時、エリート大学生の友人からアルバイトを頼まれる。
そして向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった。
パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。
更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき――。


監督はポン・ジュノ。

第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールの受賞を果たした作品。
第92回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞。
アカデミー作品賞とカンヌの最高賞を同時に受賞した作品は『マーティ』(1955年)以来、65年ぶり。

🎞️review🎞️✐✐✐✐✐✐
2020年に上映されたブラック・コメディスリラー作品。

第92回アカデミー賞で、非英語作品として初めて作品賞を受賞した歴史的作品。
始まりはブラックコメディー、中盤はサスペンス、そしてラストのバイオレンス。
様々な要素を無駄無く盛り込みながらも、現代社会が抱える問題を描いた上質なエンターテインメント。

主人公の家族は、全員失業中の半地下住宅で暮らす貧しい一家。
内職などで細々と食い繋ぎ、支え合って日々をしのいでいる。
そんな彼らが、前半は別の家族に寄生していく過程テンポ良く描いている。
まるでじわじわと精神的に侵食していくサクセス・ストーリーのよう。

しかし、他人の家族に寄生するのが上手くいくわけもなく…
徐々に狂う歯車。
底辺でも上手く生きていた家族が上流階級に触れたことによって蘇ったプライドや愛情。
そして後半は怒涛の展開へ…。

劇中では主人公の父親がこう語っている。
favorite lineにも書いた言葉「絶対に失敗しない計画はなんだと思う?無計画だよ、無計画。ノープランだ」。
その日を生きることに必死で、どう生きるかなんて考える余裕なんて無い。
だから未来に希望なんてものも持てないというセリフだ。
格差というものは希望も倫理も余裕も寛容も、そして未来も全てを奪い去っていく。

上流階級からみれば、本作は底辺の犯罪を描いただけで、富裕層は被害者と見えるかもしれない。
ただ、これを見たほとんどの人は理解できたんじゃないだろうか。
作品から溢れ出す"憤り"と"哀しみ"が。
そう、監督は本作を「ひとごと」として見終わるのは許さなかった。

話に無駄がなく、社会風刺も含みながらも飽きさせない本作、ぜひまだ見ていない人は見た方が良い。

以下余談。
富豪の旦那役を演じたイ・ソンギュンは韓国で問題になっている芸能人の麻薬投薬事件に関係して、2023年に自殺している。

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story:amazon prime参考
information:Wiki参考
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