スワヒリ亭こゆう

メランコリアのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

メランコリア(2011年製作の映画)
4.0
タイトルの『メランコリア』は鬱病の症状の意味です。
ラース・フォン・トリアー監督は鬱病のセラピーを受けていた頃にセラピストから鬱病患者は危機的状況を先に察知して危機が迫ると逆に冷静になるという事を聞いたそうなんです。
で、そこからヒントを得て出来たのが本作。
って飛躍の仕方が凄いですよね💦


地球にメランコリアという惑星が接近してくるというストーリーです。
2人の姉妹が話の中心で2部構成になっています。
ラース・フォン・トリアー監督の何らかの狙いでしょうけど、『24』のジャック・バウアー役のキーファ・サザーランドが出てるのが不思議に感じました。
狙いで出演させたのなら『24』をディスってる感じに取られなくもないですよね🤔


この映画のレビューはストーリーについては省きますね。
冒頭で書いた【メランコリア】鬱病の症状が全てを物語ってるので、これ以上の説明は野暮ったくなるので割愛したいと思います。


僕なりに注目したかったのはジャスティン(キルスティン・ダンスト)の変わりようが素晴らしかった。
惑星が接近するに連れて段々と変化していく様はなかなか見事だってし、この映画を語る上で一番の魅力ですよね。
一部はジャスティンの結婚式当日。
監督は幸せの絶頂を結婚式で表し、そこから堕ちていく様を見せたかったんでしょうね。
自分の結婚式に何やってんだよ!で感想を終わらせるには勿体ない作品なので、その裏まで読み取って欲しいです。


そして鬱病というのは大なり小なり全ての人にあるんじゃないでしょうか。
不安に感じる事は人間の思考に於いてみんなに備わってる感情ですからね。
普通にしてても何かを察知して対応しようとする。
姉妹で馬に乗って駆けるシーンがあり、必ず渡れない橋があるんです。
そこを渡らないもお屋敷から村へは行けない。
このシーンも今考えると村ではパニックが起こっているのを馬が察知してたのかなぁと思います。

そっちに話を持っていくと作品がパニック映画になり、趣きが変わってしまうのを避けたんでしょう。


カットの一つ一つが美しい映画なので、そこも見どころだと思います。