hiyoko

コンスタンティンのhiyokoのレビュー・感想・評価

コンスタンティン(2005年製作の映画)
5.0
双子の妹が屋上から飛び降りる瞬間を夢に見た、刑事のアンジェラ。自殺ではないと信じる彼女は、監視カメラに残された最後の姿から一瞬聞こえた"コンスタンティン"の囁きを頼りに、真相を知る手掛かりを求めて悪魔払いの男に会いに行くが…。

「天国と地獄のエージェント」のキャッチコピーと、キアヌの黒コートの立ち姿に一目惚れして、人生で最初で最後のDVD"ジャケ買い"をした映画!
地獄に落ちるWBロゴ…
何も分からなくてドキドキしながら観ていた中学生の自分が蘇る。
不確かで妖しい世界に一から迷い込んでいくような、深く語られずに進行していくストーリー。
登場時から全編カッコいいジョン・コンスタンティン、一挙一動がどこまでもクール!!✨
悪魔に天使、オカルトチックな魅力を存分に放つ世界観。
ワンシーンワンシーンの全てが美しくて、色彩と水の表現に惹かれる…。
死が怖い、罪が怖い、救いを求めて闇雲に踠き続ける…
誰もが苦しみと後悔を抱えて彷徨うような、悲しみを帯びた空気感も私の肌に合うのかも知れない。

"声を聞く"神父、虫好きの対悪魔武器専門家、天国と地獄の中立地帯のバー店主…
ジョンと世界を共有する様々な立場の仲間たち。
幾人もが凄惨な死を迎え、追い詰められていくジョンの孤独が残す、ハードボイルドな余韻。
地獄と交信する椅子と猫、聖水、十字架模様のショットガン…あらゆるアイテムが中二心を擽り、リアル14歳だった当時から、今になってもワクワクと憧れが溢れてしまう。
人間に紛れて暮らす天界と地獄の"ハーフブリード"達、天使のガブリエルの人間離れした存在感…✨
悪魔バルサザールの酷薄な立ち振る舞いも好きで、コインロールに憧れて密かに練習したことを思い出します。

子供の頃には孤独に見えていたコンスタンティン…。今見るとさり気ない優しさや、仲間への親しみを感じる瞬間もあって、仄かで確かな人間味が更に魅力的なキャラクターに思えた。
一見壁を作っているように感じても、彼なりに大事な相手を気にかけているんだなぁと思えて、ますます好きな人になりました。
ジョンを慕う助手兼運転手のチャズの可愛さ。(彼にMVPを送りたい!)
キスしてるのか、してないのか…何度観ても「どっちなの〜!!😳」と思うアンジェラとのロマンス未満な関係も美しい。
どんなに孤高で人を寄せ付けないオーラを放っていても、ジョンを信じてくれる人達がいることが嬉しい。

バリバリ思い出補正も入っていると思いますが、隅々まで好きなシーンばかり、観ていて「★5.0でしかない…!!!🙌」と思ったのでそのままの評価を…。
むしろ、多感な時期に観たこの作品から、その後の趣味や傾向に恐らくかなりの影響を受けていると思います。
電気屋さんの前を歩いていて見かけた新作コーナーのパネルに一目惚れ…。お小遣いを貯め、数ヶ月後に通常の棚に移動していたDVDを見つけて、手に取った瞬間を一生忘れないでいたい…。
本格的に映画好きになってからは、気になる作品は先に予告やポスターで概要を知ってしまうようになりましたが、キャッチコピーとDVD裏のあらすじだけで中身を想像しながら映画を再生した、貴重な子供時代の体験でした。
絶対に煙草は吸わないでおこうと思わせてくれた、最強の禁煙映画でもあった…。

子供の頃に大好きだった映画は、大人になって当時ほど楽しめなくなっていたら寂しいなぁ…と思って、長く観られてない作品もたくさんあるのですが、そんな不安を容易く払拭してくれた「コンスタンティン」。
多分この先何歳になってもこの映画が好きだ!!🙌
演出も表現も今観ても細部までカッコ良くて、その時・その当時の技術でしか作れない映像美が存在するんだなぁ…と思えました。
演じるキアヌが本当にカッコよくて、もしかすると今まで一番憧れた映画キャラはコンスタンティンなのかもしれない…という気がしたほど。
十数年経った今になって続編の噂も出てきていますが、実現したらどんな作品になるのか、新旧の魅力を見比べるのが楽しみです!✨
hiyoko

hiyoko