hiyoko

スケアリーストーリーズ 怖い本のhiyokoのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

一冊の本が紡ぐ恐ろしい物語が現実のものとなり、名前を書かれた者に惨劇をもたらす…

ギレルモ・デル・トロ監督が製作に携わっていると知り、昨年公開の映画の中でも特に気になっていた作品!
ぜひ劇場に観にいきたいと思っていましたが、県内での上映がなく、長距離の移動も難しい状況だったため断念…。長くレンタルを迷っている間に、Netflixで配信が始まり観ることができました。

ハロウィンの夜、いじめっ子から逃れるために幽霊屋敷に忍び込んだ子供たち。
地下室で見つけた曰く付きの本を持ち帰ったことから、次々に恐ろしい怪異に見舞われる羽目に…。
登場人物それぞれに合わせて、血文字で綴られていく本のページ。
物語ごとに異なるクリーチャーが姿を現し、一人ひとりを恐怖に引き摺り込んでいく…
字幕と台詞では文章の一部しか読み取れないのが、何が起きるのか掴みきれない歯痒さがありましたが、逆にそれが怖さに繋がる部分でもあるかも知れません。
不気味さと共に、ディテールにそこはかとなく美しさも感じるような雰囲気が私好みでした。
不気味なクリーチャー達それぞれが強いインパクトを持っていて、「次は何が出てくるんだ!?😱✨」と興味をそそられるような、発想の面白さも感じる。
ジャングリーマンのバラバラな登場シーンが怖カッコよくてお気に入り!

物語の軸となる、本の書き手"サラ"のバックボーンにも引き込まれていった…。
彼女の怒りや悲しみを知るにつれ、怖いだけだった物語たちにどこか愛しさを見出せるような気がしてきたり…
本作のキーが「ストーリー」だった意味にも、ハッとするものを感じました。
恐怖に覆い隠された真実に向き合っていくステラがカッコ良かった。
"浄化"のような感覚をもたらしてくれるホラーには心が惹かれるなぁ☺️
「だけど、犠牲になった人々は戻ってこないんだよな…」と浮かんできた切なさをも、希望を感じられるラストが思いがけず明るく照らしてくれました。

小さい頃、怖いお話のページをドキドキ夢中でめくった感覚を思い出すような、子供心をくすぐられるホラー。
劇場で観られなかったことが改めて勿体なく思えるぐらい、好きになれた映画でした。
hiyoko

hiyoko