買ってから1年以上温めていたBlu-rayをようやく解放しての鑑賞。買うといつでも見れるからと先延ばしにして、当初の熱が冷めてしまい結局いつまでも見ないのが私あるあるです。
ロス市警の看板ドラマのアドバイザーを務めるほどの有能刑事ながら、記者に情報を横流しする悪徳警官のケヴィン・“ジャック”・スペイシー。
仲間想いで女性にはすこぶる優しいが、直情型で暴力的、逮捕のためなら非人道的な行為も厭わない刑事にラッセル・“バド”・クロウ。
警察学校を首席で卒業するエリート刑事だが、己の正義を頑なに貫き、また出世のためなら仲間すら簡単に売ってしまうガイ・“エド”・ピアース。
一見バラバラの3人の刑事を結ぶは、元刑事を含む6人が惨殺された「ナイトアウルの虐殺」事件。そして、「白ユリの館」の娼婦キム・“リン”・ベイシンガー。
かくして事件の裏に隠された歪な陰謀が男たちを、さらにはL.A.の街を、血で血を洗う抗争に巻き込んでゆく。
クセは強いがどこか憎めない魅力的なキャラクター、50年代のL.A.を濃縮還元した空気感、フィルム・ノワールの体裁を取りつつミステリー調で展開するストーリーもさることながら、本作が他と決定的に一線を画す点は、クライマックスの銃撃戦にあると思います。
ショットガンにこだわった籠城戦では、敵が何人いるのか、どこから来るのかわからない、さながらゾンビ映画のような緊張感と、近距離でなければ仕留められない条件より、映画史に残ると言われるのも納得の名シーンになっている!冒頭のBlu-rayの話然り、何事もある程度の制約があったほうがしっかりするのです。はい。
ここで最高潮に達するエド&バドの友情と怒りに、観客のボルテージもメーターを振り切ること間違いなし!!夜の闇にパトカーのライトが映す影とエピローグも文句なしにカッコいい。
それぞれのキャラクター像にピッタリはまったキャスティングも見事で、カーティス・ハンソン監督としては『ゆりかごを揺らす手』、『激流』と本作で「90年代傑作サスペンス3部作」と名付けたい!
是非映画館で観たいからこの点数で。