フランチェスコ・ロージ監督の『シシリーの黒い霧』『都会を動かす手』などの脚本家エンツォ・プロヴェンツァーレさん唯一の監督作という事で、構成・演出などイマイチでした。

シチリアを舞台に、死んだ父の借りを返せ的に、マフィアからある貴族の殺害を依頼されてしまうアントニオと、その貴族の娘グラツィア（クラウディア・カルディナーレ）の運命の出会いから悲劇までが描かれます。

『刑事（1959 ピエトロ・ジェルミ）』で見ただけですが、主演のCC/クラウディア・カルディナーレは、BB/ブリジット・バルドー、MM/マリリン・モンローに並ぶセクシー女優として人気を集めたたようで、BBやMMのセクシー度溢れすぎ（笑）に比べ、20代前半という事もあり、初々しい演技の中にほのかに醸し出されるセクシーさが良かったです。^^

計算されたカメラワークとパキパキの陰影がカッコいい。追走する車のフレームイン/アウトが特に印象的。
単純な逃避行でもないし愛し合うのも一瞬だけ。不思議な物語。

‪ ‪「暗殺指令」‬
タイトルだけは知ってても中々観る術がなく、月日だけが過ぎたが漸く復刻シネマライブラリーから発売されたプロヴェンツァーレ監督の「暗殺指令」のBD化は個人的には嬉しい。主演のC. カルディナーレが若く美しい。今も御存命で彼女出演の作品は有名な監督の映画くらいしか観れてなく…この度初見する。
‪冒頭、一台の車。数人の男、事故死と見せかけた殺人。砂浜での暴力、脅し。発電機、小舟、神秘的な海の輝き、覗き…本作は第一部、二部と分かれたプロヴェンツァーレ監督の非恋劇。モノクロの映像と音楽が背景にマッチし、非常に恐ろしく異世界の如く映されるショット、例えば暗闇の中で‬ ‪聳え立つ風車小屋や幾つ物の白砂の山、闇にお色直しした海の静寂さが際立ち効果を上げてる。物語は兵役帰りの21歳の青年がマフィアに沖合いの島に住む貴族侯爵の暗殺を半ば強引に強制させられ、邸に住む娘2人との関係をも映す…シチリアの美しい風景、小村の景観、各地のロケーション撮影が息を呑む綺‬麗さで印象的だが…最も私の目を癒したのは当時24歳のカルディナーレの美貌だ。ストーリーの終盤から2人の関係、どんな帰結に繋がるのかと考えながら、そのラストは余りにも◯◯でかなりショックを受けた…この度初見したが素晴らしい画作りと演出で楽しめた。イタリア映画の知られざる名作の一つだ。‬