鞄を持った女の作品情報・感想・評価

「鞄を持った女」に投稿された感想・評価

gon

gonの感想・評価

3.8
はあ何だこの報われない感じ。
でも好き。ロレンツォに胸が苦しくなった。
長尺で退屈なところ多々あるが、ほぼ出ずっぱりのクラウディア・カルディナーレの魅力で押し通し何とか持たせたという作品。若き日のジャック・ペランは初々しい感出てて良いが。ジャン・マリア・ヴォロンテも若いし。まあこの手のイタリア恋愛劇は時に疲れてしまう。‬
主人公、アイーダ(クラウディア・カルディナーレ)はシングルマザーで、子供を施設に預け、ナイトクラブで歌手として日々を繋ぐ底辺生活をしていた。そんな彼女が惚れた男、マルチェロ(コラッド・パーニ)に突然、彼女の大きな鞄とともに捨てられた。でも諦めきれず、マルチェロを追って彼の自宅へ。マルチェロは在宅していたが、これはマズイとばかりに弟のロレンツォ(ジャック・ペラン)に、あの馬鹿女を追い払ってくれと頼む。兄に似ず気立ての優しいロレンツォは、兄の言いつけ通り、兄は不在と彼女に告げる。が、彼女と会話し、かかわる中で、ロレンツォは美しいアイーダに恋心を抱いていく。ロレンツォは裕福な家のお坊ちゃんだが、まだ学生の身分だし自由になるお金など無く、叔母を騙すなどしてお小遣いを貰い、アイーダに差し出していた。
このかわいい16歳の坊やは、次第に年上のアイーダが好きになり、やがて夢中に。アイーダのほうは、気持ちはまだマルチェロにあったが、ロレンツォも気になる存在に…。


以下ネタバレ含みます ↓ ↓









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ロレンツォは、入浴もままならなかったようなアイーダのために家のお風呂を提供したり(たまたまアイーダが憧れていた「黒」のお風呂だったのでアイーダはキュンキュン❤︎ )、一張羅のヨレヨレの身なりだったアイーダに服をプレゼントしたり…。しかし全ては家の物やお金でしかなかったし、ロレンツォはまだまだ子供。結果ほとんど周囲の大人たちによって良くも悪くもアイーダをロレンツォから遠ざけた形となった。ここら辺は何とも複雑な気持ちになっちゃうところ…。
クライマックス的な位置づけの浜辺での2人のキスシーンは、ただただ美しく、しぬレベル。
その前に個人的にキュン死したのは、ロレンツォがソファーにもたれてアイーダと電話で話している時の、夢見るようなあの表情…❤︎

ラストは何とも切なくて…。
私は当初、アイーダ目線で観ていたものだけれど、途中どこからなのかロレンツォに感情移入し、そしてラストには気づけば再びアイーダの気持ちになっていた。
美しいアイーダと、かわいいロレンツォ、気の利いたBGMの数々、息を呑むほど美しいキスシーン。
MegmiTanak

MegmiTanakの感想・評価

3.6
モノクロの質感の滑らかなこと!人物の肌が妙に艶やかで艶かしくみえる。それに加え、前作『激しい季節』でもそうだったが、人の心情を丁寧に表すカメラアングルや演出がとにかく素晴らしい。とくに浜辺のシーンは心に来るものがある。

当時わずか20歳前後の二人を使って、どうしたらこんなにも珠玉の上品な恋愛映画に仕立て上げられるのだろうか!演技力はもちろんのこと、当時の白黒映画たちが持つノスタルジックな芸術的価値にため息が出る…
hiroki

hirokiの感想・評価

2.8
アイーダがロレンツォの豪邸でお風呂借りて出てきたらヴェルディが流れて階段を降りてくとことホテルの屋上でオッサンと踊ってるアイーダをロレンツォが見つめてるときの皆殺しの歌(リオ・ブラボー?)。CCを見上げるショットが印象的
少年が年上の女性にいわゆるひと夏の恋をする定番と言えるストーリー。

だけど回想など少年目線で話が進むわけではなく、女性の側を主人公として描いているため、その経験を通して大人になるという感覚があまり無かった。

クラウディア・カルディナーレの映画は「ウェスタン」くらいしか見てなかったけれど、こういうラブストーリーや現代ドラマのヒロインももっと演じれば良かったのにと思う。
KazuPSG

KazuPSGの感想・評価

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クラウディア・カルディナーレ演じる人物はあまり良い育ちではなく、品があるとは言えないが、やはり美しかったです。
常に変な男に付きまとわれている彼女ですが、精一杯生きてる感じが分かります。

ジャックペラン演じるロレンツォは美青年でピュアな感じですが、彼女との恋を通して現実を徐々に体感していたのではないでしょうか?

ビーチのシーンは純愛が感じられ、とても美しいシーンでした。

その後、ロレンツォはどの様な大人になったのか? そして、2人は再び出会ったのか?思わず気になってしまう終わりですね。
ナビ助

ナビ助の感想・評価

4.5
金を持つと男はバカになるし美人は着飾るとバカになるけど、そんな2人の恋心と愛情が美しかった。ただ世界にはその2人しか居ないわけじゃないからその美しさが面白さに変わるし、だからこそバカじゃなくなった海辺の2人のシーンは一番綺麗だった。音楽の使い方は凡庸でありながら、使われてる曲がどれも凄く良い。カンツォーネもオペラもかっこよかった。
手紙に金入れるイキり方が最高。
hqho

hqhoの感想・評価

3.6
TSUTAYAの発掘コーナーでパッケージの青年と美女に惹かれてみてみた。ロシュフォールの恋人たち観た時ジャックペランめちゃくちゃかっこいいと思ったけどこれみてロレンツォめちゃくちゃきれいでかっこいいなと思ったらジャックペランだった。美形を眺める映画
Filmomo

Filmomoの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

①目線の物語。カルディナーレの目線は自分を幸せにしてくれるかもしれない大人の男に向けられている。騙して棄てた男を追いかけ、やがてその情婦に堕ちるかもしれない男の元へまで歩み寄る。一方、ジャック・ペランの目線は一貫してカルディナーレに向けられている。外すことができない。初恋の行き場のない感情を、一方通行の目線で表現している。この2つの目線が唯一本当に重なり合うのは結末近くの浜辺でだけ。目線は重なり、物語に終わりが訪れる。②美人に生れついただけで、幸福がいつまでたっても近づいて来ない。美人が薄幸になるのは昔から変わりがない。この物語の最後でカルディナーレはペランの将来のことを考えて別れを告げるが、もしもこれから一緒に行動したら幸せは訪れていただろうかと想像してみると、やはり幸福は訪れない予感が大きい。③ヴァレリオ・ズルリーニ監督の役者に対する演出は的確で、シーンごとで役者がすべき表情や立ち振る舞いを完璧に監督している。特に大人の男に嫉妬するペラン、ペランの恋心に気づかないカルディナーレ、気づいてからのカルディナーレの表情の変化は素晴らしい。映画演出の粋を見せられた気がする。
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