おらんだ

50回目のファースト・キスのおらんだのレビュー・感想・評価

50回目のファースト・キス(2004年製作の映画)
4.3
ハワイの水族館で働くヘンリーは、ある朝カフェで知り合った女の子・ルーシーと意気投合し、一日で互いに惹かれ合うようになる。しかし、次の日には彼女はヘンリーの事を覚えていなかった。実は、彼女は一日しか記憶を保つことができないという短期記憶障害を抱えていたのだ。

これはアダム・サンドラーの出演作の中でも屈指の名作じゃないかな。自分の中では、彼は軽薄な馬鹿男の役のイメージが強いんだけど、今作の彼は純粋で健気。とにかく一途にルーシーの事を思いやる。彼が記憶障害をもつルーシーの為に行う試行錯誤はとても楽しく、そして優しい。

自分は、ラブコメってのは、なんやかんや言いながらも最終的には男と女がくっついてハッピーエンドで終わるってのが、どの作品にも共通する超大まかな粗筋だと思っている。けれど、今作が十把一絡げの物と一線を画す要因となっているのは、やはり記憶障害という要素。
記憶が消えるからこそ、何度でも新しい恋にときめく事が出来るし、シックスセンスのラストにも何度でも驚くことができる。そして、本当に大切な物に気づくこともできる。勿論、デメリットの方が大きいとは思うけれど。しかし、だからこそ彼女は彼女にしか出来ない恋愛体験ができた。そこはとても素敵な事の様に感じた。

ストーリーが良いのは言わずもがななので、敢えて他の部分を見所として挙げるとするならば、景色。ハワイの綺麗なブルーとパッションカラーが画面に映える。あと音楽。ビーチボーイズの「Would'nt it be nice」やポリスの「Every breath you take」等が印象的。

本日はバレンタインデー、更に日曜日。恋人と二人でゆっくりこの作品を観てまったりするのもいいんじゃないでしょうか。あ、その際は是非字幕で。
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