kazu1961

アーティストのkazu1961のレビュー・感想・評価

アーティスト(2011年製作の映画)
4.5
「アーティスト」
原題「The Artist」
2012/4/7公開 フランス作品 2018-200
アカデミー賞作品賞再鑑賞シリーズ
2012年第84回 アカデミー賞作品賞

映画好きにはたまらない一作ですね。私も大好きな作品です!
監督のミシェル・アザナヴィシウスはサイレント映画時代の映画製作者を賞賛し、自身も長年サイレント映画を作ろうとしていて、製作が実現されました。なので、入れ込みようは妥協なく、サイレント映画としてのクオリティの高さ、本当に1930年代あたりの作品と見間違う可能性さえある、見事なレプリカぶりになっています。
サイレント映画時代に採用されていた1.33:1のスクリーン比で作られ、全編モノクロ作品であるにも関わらず、撮影監督のギョーム・シフマンによってカラーフィルムで撮影されました。サイレント映画の雰囲気を再現するために、レンズ、照明、カメラの動きなどの技法は当時のものにあわせるこだわりようでした。
また、ストーリー展開の素晴らしさだけではなく、サイレント映画ならではの、その場面場面での感情表現を増幅する、素晴らしい音楽と、細やかな演出、特に女優ペピーがスーツと抱き合うシーン、ペピーとジョージがのぼりさと下りの階段をすれ違うシーンや焼けたフイルムでコマ送りのダンスシーンなどは特に印象に残ります。
また、ヒューマンドラマ&ラブストーリーの要素も大きく、後半は特に感動シーンも多く、私はに関して言えば後半で3回も泣きました(笑)
そういう意味で、この作品の持つ新しい側面に仮に気がつかなくても、「オールド・ファッションな、なくなってほしくないヒューマン・タッチなストーリー」としても単純に楽しめることも出来ます。その意味で見る人にいろんな楽しみを与えてくれますね。
いやあ、これは本当によく緻密に考えられた非常に深い作品ですね!

2011年・第64回カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞した白黒&サイレントのラブストーリー。舞台は1927年のハリウッド。スター俳優のジョージ・バレンタインは若い端役女優のペピー・ミラーを見初めてスターへと導くが、折しも映画産業は無声からトーキーのへの移行期。無声映画に固執し続けるジョージが落ちぶれていく一方で、ペピーはスターダムを駆け上がっていく。監督は06年の第19回東京国際映画祭グランプリ受賞作「OSS 117 私を愛したカフェオーレ」のミシェル・アザナビシウス。第84回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞ほか5部門を受賞。フランス映画として初の米アカデミー作品賞受賞作となった。
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