創

パプリカの創のネタバレレビュー・内容・結末

パプリカ(2006年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

たぶん、何度も観てる映画ベスト5入りだと思うんだけど、毎回よく分からない。
私にはカガクのマインドが全然無いからしょうがないね。

絶対その中に入っていた訳ない小さな車から出てきた主人公の声したピエロの、It's a greatest show time!!って台詞で映画が始まるんだけど、結局はそういう事なのだ。
これから無限に広がる今敏のハンパない世界をどうぞご堪能あれ!!って事。
平沢進の音楽もアニメだからこそとも言われがちな表現もよく分かんないDCミニも全部たぶんそういう事。
カガクのマインドなんて無くても乗せられてどこまでも行けそうな勢いがいつまでもすごく好き。

内なる小学3年生とか最初からめちゃくちゃ飛ばすし、そこに間髪入れずに平沢進入れてくるしすごい変態ぶりに毎回改めてびっくりするしちょっと引く。
たいていの良い映画に対してすごいとしか言えない私の語彙力ではこの内なる小学3年生に連なる言葉や意味のない会話の紡ぎ方は浮かばないし出来ない。
インパクトがあるのか、力のある言葉が選ばれているのか、印象的な台詞も多いけどそれと同じぐらいなんとなく心に刻まれるような場面も多い。
運ばれてくる料理がことごとく時田くんのオーダーな軽いものから、パプリカの下腹部からのベロリンチョまで振れ幅がすごい。

何を観ているのかも分からなくなるぐらいカオスな物語が急速に収束して混乱してるうちに、敦子の名字が時田に変身します。だし、粉川は避けてきた映画を観ることにするし、
ごくごく個人的な幸せに収束して終わりを迎えるので、そうだ。これは夢の話だ。夢は個人的なものだ…と思い出す。
呆気ない終わり方もなんだかとても人が愛しくなるから好き。

私は第一印象至上主義だから他のどんな映画観ても結局パプリカのファーストインパクトは変わらない。
まだエンドロールに並ぶ筒井康隆と今敏の名前にふふってなってた頃も、油断するとそこから涙が止まらなくなる今も、たぶんこれからもずっとずっと観続けると思う。
もし無人島やあの世に何本かだけ持って行って良いのを選べって言われたら5本の中の1本に入り続けると思う。
どうせ何回観ても分からない感は残るけどそれは不快感とは違うから絶対飽きないと思う。



私は一生、今敏の面影を追い続けるのかもしれない。
いつかどんな形であれ夢みる機械を観られたら良いな。と、今も変わらず想ってる。
これまでと違うものになっていたパプリカのその先をずっと楽しみにしてる。
創