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パプリカのkazu1961のレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
4.0
▪️Title :「パプリカ」
Original Title :※※※
▪️Release Date:2006/11/25
▪️Production Country:日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2019-176 再鑑賞
▪️My Review
常に観るべきアニメの一つ挙げられる、故今敏監督の名作です。
本作の世界観やテーマなどは一見しただけではなかなか理解不能です。「ストーリーが難解」「理解するのが難しい」といった感想ですね。しかしながらそれでも惹きつけられる魅力・世界観は素晴らしいものですね。
これも今監督の作風。現代において、現実と虚構はハッキリと区分できるようなものではなく、等価のものとして混在しています。そんな世界を先取りして描いていたのが今敏監督です。
今敏監督の作品には一貫して「現実を生きることは、虚構を生きることに他ならない」というテーマが込められています。遺作となった映画、本作はそのテーマをわかりやすい形で示した作品です。
フロイトやユングの「夢」に関する研究を引用しながら、現実と虚構のボーダーラインがなくなりつつある現代を生きる知恵に満ちた内容となっているんですね。
本作は実に巧妙に作られていて、「多重構造」になっています。「登場キャラクター一人一人のストーリーが重層的に重なり合い、ラストで見事に収束する」そういう展開の素晴らしさも見所です。
あと、映画に対するオマージュ、粉川警部の見る夢、サーカスのシーンは『地上最大のショウ』(1952)という映画からの引用です。さらに『ターザン』や『ローマの休日』といった映画のワンシーンを挿入してるのも好きなシーンです。

▪️Overview
「時をかける少女」の筒井康隆による同名SF小説を「千年女優」「東京ゴッドファーザーズ」のアニメーション監督今敏が映画化。表の顔は精神医療研究所に勤めるセラピー機器の研究者、裏の顔は“パプリカ”というコードネームを持つセラピスト千葉敦子は他人の夢をスキャンすることが出来るというセラピー機器“DCミニ”を使い、日々患者の迷える心をケアしていた。だがある日、その“DCミニ”が何者かによって盗まれてしまう……。第63回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門へ正式出品される。また、第19回東京国際映画祭のanimecs TIFF 2006のオープニング上映作品ともなっている。
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