荒野の七人、大脱走の
ジョン・スタージェス
監督が、
ダーティハリー直後の
クリント・イーストウッド
と組んだ西部劇だが…
「シノーラ」
何故こうなった…。
残念ながら凡作の域を出ない作品。
シノーラの街。土地を奪われたメキシコ人のチャマ達は街を襲う。巻き込まれたジョー(クリント・イーストウッド)はチャマの手下に襲われ、撃ち倒す。その報復で家を襲われた彼はチャマと土地を争っていたハーラン(ロバート・デュバル)の討伐隊に手を貸し、チャマを追う。
これまず脚本かな…。クリント・イーストウッドのジョーの背景が口頭説明しかなくピンとこない、立場がコロコロ変わるし、故にキャラもハッキリしない。強いは強いみたいなんだけど…行動原理も演出上、希薄な感じ。巻き込まれた第三者で荒野の用心棒みたいになるかと思えば、その狡猾さもないし…。
敵役に変わるハーランも悪い方には違いないけど何かハッキリしない感じになっていて、イマイチですし。
更に何故そうなると言う展開が中盤の村からラストのシノーラへの街での決闘の転換。中盤から各キャラ全てがなぜこうするのかが不自然で理解し難くなる。脚本の強引さが無理筋過ぎる…。
銃撃戦のシーンも、列車突入の大仕掛けはあるものの迫力不足は否めない。またラストもそんな感じ?と言う結末。保安官は何故あんな目に…?
全編イーストウッドは流石にカッコイイのですが、それは御本人のカッコ良さでしかなく、キャラで加速しているわけではないし、スタージェスならばもっとできたはずなんですよね。
荒野の用心棒の様なマカロニ・ウェスタンにしようとしたら、イマイチな西部劇になった感じがしますね。突き抜けている所がないんです。ドル箱三部作には遥かに及ばない。音楽はラロ・シフリンで印象的なんですけどね…。ダーティハリー大ヒット後でこれは辛かったんじゃないかな、イーストウッドも…(T_T)