たけちゃん

遊星からの物体Xのたけちゃんのレビュー・感想・評価

遊星からの物体X(1982年製作の映画)
4.2
誰もが疑心暗鬼だ!


ジョン・カーペンター監督 1982年製作
主演カート・ラッセル


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
今日、1月16日はジョン・カーペンター監督の誕生日です。誕生日には絶対「遊星からの物体X」をレビューしようと、温めていましたよ。

この作品は1954年に製作された「遊星よりの物体X」のリメイクです。実はオリジナル版を観ていないので、それも確かめたくなりました( ˘ ˘ )ウンウン


まず、先に語らせてください。
今回、僕が観たのはBD版ですが、リマスターが良くて、本当にクリアな映像でした。
でも、「遊星からの物体X」って4Kデジタルでリマスターされて、劇場公開されましたよね。これよりも綺麗だってこと?それは凄いですよ!

南極の青空と陸地の白銀
そして、解剖する"The Thing"の造形
真っ赤でヌメヌメの瑞々しさ!
まさに衝撃的!
実写だからこそ古びないんだよね( ˘ ˘ )ウンウン

これ、劇場で観たかった!
これは怖かっただろうなぁ。
惜しいことをしました。
まぁ、地元ではやってなかったけど……


オープニングはどことなく「エイリアン」も意識させるよね。でも、宇宙船が飛来してくると「プレデター」?って思っちゃうし。←ジュウショウ
そこからの爆発と「The Thing」の文字。
この流れ、サイコーにかっこいい( ˘ ˘ )ウンウン

コメンタリーで知ったけど、この作品と「パラダイム」「マウス・オブ・マッドネス」はジョン・カーペンターの「黙示録三部作」なんだそうです。「マウス」は観てないから、この機会に観てみようかな(^-^)
あと「E.T.」の2週間後の公開だったので、表の「E.T.」裏の「The Thing」という位置付けで、怪物ブームを牽引したそう(笑)ホントウカ?


カート・ラッセルが演じるマクレディの役はベトナム帰りの後遺症で、人から離れ、孤立している人物設定らしい。知らなかった……。でも、そうした経験からか、危険察知能力に長けているんだよね。自分の置かれている状況を素早く理解していました。

この映画を端的に言うとリードの通り疑心暗鬼です。
何にでも同化出来る"The Thing"は、究極のモンスター。外からは全く見分けがつかない。
その「誰か分からない」恐怖を描いた作品でしたが、本当によく出来ていました。仲の良かった仲間が"The Thing"かも……。
でも、孤独に生きてきたマクレディだけが冷静なんです。
この設定は「ブレードランナー」とも似てますね。
人間に化けた"The Thing"と人間のように作られたレプリカント。どちらも直ぐには見破れない。その恐怖と向き合う作品でしたからね。

僕は今回、隊員がどこで寄生されるのかに注目して観てましたよ。でも、ヒントは撒いてあるけど、描ききらない。上手いなぁ……。
だから、観た人とあれこれ語りたくなる( ˘ ˘ )ウンウン
それ故にこうして作品が残っていくんですよね。


あと、この映画は特撮が素晴らしい。
CGじゃない時代の特撮はいいなぁ( ˘ ˘ )ウンウン

担当したロブ・ボッティンは若干22歳!
14歳でリック・ベイカーに師事したらしい。
その後「ハウリング」で頭角を表しました。
天才ですか?

あと、スタン・ウィンストンも加わってます。
ボッティンが仕事の休みも取らずに没頭して倒れたため、ドッグモンスターのシーンはスタン・ウィンストンが担当したそうです。でも、さすが、スタン・ウィンストンの仕事も見事でした!




さて、今回はプチ音ネタ💩ウンチクン\(^o^)/

今作の音楽はエンニオ・モリコーネです。
今回は印象に残るような旋律はなし。
神経を逆撫でするような音使い。
ボンボン…と、ひたすら不気味な音が響く。
重低音ビシビシで、痺れました( ˘ ˘ )ウンウン
低音の出るスピーカーで観てね!


そして、調理係の黒人ノールスが聴いていたのは、スティービー・ワンダーの「Superstition (迷信)」
わ~い、スティービー大好き\(^o^)/
スティービー・ワンダーは皆さんご存知だと思いますが、リトル・スティービーと呼ばれた60年代のモータウンの頃も素晴らしいですが、僕は70年代のスティービーが大好きでした。

この「迷信」が入っているアルバムは1972年発表の「トーキング・ブック」です。ここから「インナー・ヴィジョンズ」「ファースト・フィナーレ」と続く三部作が大好きなんです( ˘ ˘ )ウンウン

その後も「キー・オブ・ライフ」や日本でも大ヒットした「心の愛」が含まれる「ウーマン・イン・レッド」など他にも名盤がたくさんあります。
ここのところ、すっかりご無沙汰なスティービー。そろそろ新作が聴きたいよ( •̀ω•́ )و✧



はい、ということで、改めて観て、昔よりもさらに面白く感じました。
ラストを語り過ぎないのも良いんだよね。
こういう余白のあるラスト、大好きです。
ただのSFホラーと思ってはいけませんよ!
極限での人間の行動心理を見事に捉えた秀作ですね。
よろしければ、ジョン・カーペンターの誕生祝いに、ぜひ\(^o^)/