名家に生まれたペネロピは、
血筋にかけられた呪いによって、
顔が豚の鼻と耳になってしまう。
呪いを解くには、
「名家の子息がペネロピに永遠の愛を誓うこと」
性別が逆になったバージョンの「美女と野獣」って思うと分かりやすいです。
呪いを解いてくれる王子様を待っているという点では、「白雪姫」とか「眠り姫」とかにも近いのかな。
ただ、この作品がいいなと思うのは、
これらの"おとぎ話"とは設定は同じだけど、たどる展開も結果も全然違うところ。
ペネロピは
豚の鼻を持って生まれたわけなんだけど、
それを全く悲観してないの。
クリスティナ・リッチのもとのお顔のためか
豚の鼻の特殊メイクも最初はびっくりするけど、可愛いんだよね。
一方の王子様は
ギャンブル中毒、最初は半分お金目当てで
ちっとも王子様らしくありません。
ただ、この王子様。
ジェームズ・マカヴォイが演じてるんですけどね、
ハイパー、ウルトラ、マックスかっこいいです。
最近は"X-men"シリーズ、"Split"と坊主頭ばかりですが、
長髪で、下ろした前髪の下に覗く綺麗な青い瞳に、ピンクの唇、、、
最初王子様らしくはないけど、本当にかっこいいよ。
ペネロピが姿を見せずに話すために、
マジックミラーがあるんだけど、
そのマジックミラーを覗いて、ペネロピと話すシーン特に美しい。
それから"My Sunshine"歌うシーンも好きです。
ギャンブルやって荒れてる部分も、
ペネロピを外に出そうと頑張る王子様的部分も、
すべてひっくるめて好きですね。
この頃のマカヴォイをフィルムに収めてくれてありがとう、という感じ笑
レビューに戻ろう。
ここからネタバレも書くと、
ペネロピのお母さんら家族は
屋敷の中から出させなかったり、死んだことにしたり、"可哀想な娘"として扱うんだけど、
ペネロピを"可哀想な娘"にしたのは周りの人間なんだよね。
家に伝わる言い伝えではなく周りの人間が"呪い"をかけてるんだよね。
それがいい。
だからこそ、呪いを解くのは、王子様ではなく自分自身で、
周りがなんと言おうと"ありのままの自分"を愛した時、
その呪いは解けたんだ。
だからそこで、王子様の役割は終わりではなくて、
王子様には、王子様になれなかった訳があって、
彼はありのままのペネロピを愛していた。
最後、仮面を被ったペネロピが現れた時、
呪いが解けたことを知らないのに、
ペネロピにキスをしたシーンは素敵だね。
二人の愛を妨げていたのは、
呪いではなく、身分の差だったんだ。
自分にかけてる"呪い"ありませんか?