みかん

2001年宇宙の旅のみかんのネタバレレビュー・内容・結末

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

こちらも今更ながら初観賞。

東西冷戦下での米ソ間の宇宙開発競争が最も熾烈を極めた1960年代。
ガガーリンが人類初の宇宙飛行に成功したのが1961年。
アポロ11号が月面着陸したのが1969年。
この作品が公開されたのはその1年前の1968年。
当時は、人類が月に行く前にこの映像体験ができたってことですよね。
なんともすごい時代だ。

CG技術も存在しない時代に、どうやって撮影したのか不思議で仕方ない映像ばかりで衝撃。
調べたら、回転するセットや様々な特撮技法を取りいれ、厳密な科学的考証に基づいて作成されたとのことで、今見ても暗闇に浮かぶ宇宙ステーションの映像は素晴らしいし、無重力の表現はたくさんのSF作品に触れてきた今でも新鮮さすら感じる。
AIの暴走、人工冬眠、地球外の知的生命との接触とか、SF映画の先駆けすぎる内容が詰まってる。
宇宙開発が始まった約50年前も現代も、宇宙は未知な存在で、いつか映画の世界が現実になるんじゃないかと想像したりもして、夢がひろがる。

中盤からの流れは、ひたすら怖い。
ミスを犯すのは人間と淡々と告げるHALの赤い点灯、機械音だけが響く静かな宇宙ステーションの中、無音の宇宙空間、鳴り響くサイレン。
さらには、HALがシャットダウンされるときに淡々と「やめて」とか「怖い」と嘆願しはじめ、生まれたときの様子や歌を歌い出したりで、このシーンは強烈でほんと怖い。

さらに、そこからのラスト30分間、不可解すぎる映像と展開に、ちょっと気分が悪くなってしまった。
難解とは聞いていたけど、想像以上に理解できんかった。
見終わった後に色々解説みても、完全理解は難しい。
劇中何度かでてくるモノリスは、精神構造に干渉する人知を超越した存在で、ボーマンはそんな人間に理解できないものになってしまったってことなんかな。
冒頭30分も、どういう気持ちで見れば良いのか戸惑いしかなかったし。
ここまでくると、理解とかしなくていいんかもとすら思える。
人類には早すぎる作品。
見て良かったけど、好きにはなれない作品でした。

あと、インターミッション(途中休憩)が入る作品初めてみた。びっくりした。

『2001年』なのは、21世紀の幕開けに未来を感じたからなのかな。
みかん

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