チェックメイト

2001年宇宙の旅のチェックメイトのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
5.0
映像が素晴らしい。壁に投影された絵とは思えない大宇宙が広がる。(IMAX鑑賞にて)
約50年前のCGがなかった時代の映画とは思えない今もって圧倒的なヴィジュアル!今ならCG万能だがこの映像を可能にするにはどれほどの発想と議論とトライがあったのだろう。
映画至上最も難解なストーリーとも云われる。けれどこの映画に限って自分にとってはストーリーなんかどうでもいい。映像だけを鑑賞するように毎回見直す映画。(追記:後に町山智浩氏の映画製作時の製作裏話で難解であった意味は氷解したが完全主義者のキューブリックが満足できない表現を嫌って表現を単純にしたのが難解になってしまった原因とか。しかし結果的にそれが鑑賞者の想像にまかされ意味がより深遠になってしまった。確信犯としてそうしたのであればやはり正しかったと思う。原作以上に格調高くなったのだから)
公開時学生だったジョージ・ルーカスはこれを見て、当時SF映画はオモチャっぽい特撮もののB級キワモノ映画ばかりだったが、SF映画が第1級の映画になりうることを確信したとキューブリックを解説するドキュメンタリーのインタビューで語っていた。この映画でスターウォーズが生まれたかどうかは解らないが、その完成度に衝撃を受けたとか。劇中ブラウン管に表示されるCGが現実にない時代なのにワイヤフレームをアナログに作りそれっぽく見せているがその後のスターウォーズに出てくるそれよりリアリティがある。また劇中タブレットらしきものがさりげなく使われているが、映画が作られたこの時代にタブレットのアイデアがあったんだろうか?そういった先見性も驚異的。
宇宙船内部のデザインや配色もセンスよく美しい。アメージングな映像にブレードランナーもスターウォーズも良いがこの映画こそエポックメイキングなSF映画の金字塔だと思う。
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