えいがうるふ

2001年宇宙の旅のえいがうるふのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
5.0
分からなくても感じることは出来る。だから解説など読みまくって無理して理解しようとする必要はないと思う。理解できないからつまらないのではなく、理解できないからこそ無性に惹かれる、そういう映画だと思う。
少なくとも自分は、この時代にほぼ映像と音楽だけで人の力の及ばないもの:宇宙への畏怖を強烈に描き出し、それが今なお多くの人々を震撼させる力を持っていることだけは、最初に観たときから実感できた。観た者が内容をちゃんと理解できなくても描かれていることのヤバさだけは本能的に感じ取れるって、むしろスゴイことじゃなかろうか。自分でもこれを素直に面白いと思える自分の感受性がむしろ意外だった。

ちなみに本作鑑賞後、この映画を観る前から大好きだったD.Bowieの名曲"Space Oddity"と、安野光雅氏の名作絵本「あけるな」の2作が、今まで以上に味わい深く楽しめるようになり、自分にとっては一粒で三度おいしい有り難い映画である。