婚約パーティでジェフブリッジスの仕事仲間の男が悪魔祓いしたり、ジェームズカーンの浮気癖が発覚したりあたりから急速に胸いっぱいになってくる。ジェフブリッジスに押さえつけられてるボサボサ犬のシェイクスピア、そっぽ向いてて最高に可愛い。こんなイキイキした幽霊はヤダーって肖像画も憎たらしいほどずっと鬱陶しいジェームズカーンの去り際も最後には泣けるし、なんつーてもサリーフィールドがチャーミング。

ロバート・マリガンのフィルモグラフィーのなかで明らかに浮いちゃってるロマコメ。やっつけ仕事なんて言えないくらい充実した幽霊映画だった。幽霊オーラ皆無なジェームズ・カーンの陽気っぷり、32歳にしてすでに還暦な佇まいのジェフ・ブリッジス、いちいち感極まったトーンで話すサリー・フィールド、贅沢するぎる3人の演技だけ見てても飽きない。遊び人設定のカーンのキャラをそのまま活かしたエンディングがグッとくる。カッコイイやつは引き際も絶妙。脚本のチャーリー・ピータースを調べるとこの手のジャンルを沢山手がけているようなので何本か観ていく。

ロバート・マリガンの82年作品で、ブラジル映画「未亡人ドナ・フロールの理想的再婚生活」（76）のリメイク。オリジナル版はリメイクするほどの作品ではないし、なにもマリガンが手掛けるような仕事でもない。オリジナル版よりはマシだったが。
キネカ大森にて