とてもいい。短いなかにノワールものとしての豊かな展開がある。なにより編集が冴える素晴らしい省略。深夜宿を追い出される→翌朝の鉄塔と空→ティルトしながらオルゴールの音をひっかける→小さなオルゴールを回す手元アップ→板みたいなオープンカーのシートに埋まるトゥロ・パヤラの姿。字では表せない鮮やかさ。
収監されたトゥロ・パヤラがマッティ・ペロンパーと邂逅するシーンもよかったな。
無言でハンドグリップかちゃかちゃいわすマッティ・ペロンパー。無言で煙草とマッチを投げてやりとりする二人。否が応でも『ダウン・バイ・ロー』やベッケル『穴』の系譜を期待する画になり、無言で通じ合うバディに胸熱。あとマリメッコのシャツみたいな囚人服がお洒落。
出会いの速さは、出会った後にこそドラマがあることを示唆する。邦題の味わい深さもラストに示されてぐっとくる。