円柱野郎

ロッキー・ホラー・ショーの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ミュージカル舞台劇“The Rocky Horror Show”の映画版。
なので映画の原題は“The Rocky Horror Picture Show”。

カルト映画の代名詞の様な作品だが、なるほど画面から伝わってくるエネルギーは、ただ奇抜なだけではない魅力にあふれている。
全体に1940年~1970年代のSF・ホラー映画へのオマージュに溢れているが、それ以上に古城の主であるフランクン・フルター博士のキャラクターが強烈過ぎて、何もかもを吹き飛ばす。
「私は性倒錯者よ!」と奇抜な格好で高らかに歌い上げるシーンは一度見たら忘れられないw
(スーザン・サランドンが劇中のほとんどを下着姿のままで過ごすという状況が普通に思えてくる不思議(苦笑))
その他、いずれも奇抜なシチュエーションの中でロック調の曲に合わせて展開されるミュージカルシーンのテンションの高さ。
「これはホラー?コメディなんだっけ…?」と困惑しながら、何かいけないものを観ているかのような錯覚に陥りながらノせられていってしまった。
終盤のRKOのロゴをバックにラインダンスをするシュールな光景には、どうやったらそんな発想が出るのかと、感服した。

確かにセットなどは低予算さが目に付くチープなものもあるが、それが過去のSF怪奇映画へのオマージュとして妙な効果も発揮しているのが面白い。
舞台の延長と思われる演出もあるものの、それ以上に舞台では出来ないであろうオンボード映像やカットバックを多用する演出も組み込まれ、映画的なセンスも感じられるところが良いよね。

と、ここまで書いておいてなんだけど、やっぱりカルト映画なので観る人を選ぶ作品だとは思うのです。
円柱野郎

円柱野郎