滝和也

恐竜グワンジの滝和也のレビュー・感想・評価

恐竜グワンジ(1969年製作の映画)
3.3
プテラ!トリケラ!
ティラノ!

お久しぶりに
レイ・ハリーハウゼン
の世界へ。

元祖ジュラシック・パーク
と呼べる恐竜が生き残って
いたら…と言うifの世界へ!

「恐竜グワンジ」

ストップモーションアニメ、ダイナメーションと呼ばれた魔法の如き、古き良き特撮の世界へようこそ(^^)

20世紀頭、アメリカ西部。TJ、チャンプ率いるサーカス団はカルロスからミニチュアサイズの馬、絶滅したはずのエオヒップスを手に入れる。TJの元彼カービーと古生物学者はそれを見てある事を考える。その出処を探す彼らはジプシーの老婆から禁断の谷に入った者は呪われると聞き、古生物学者は老婆にエオヒップスの件を伝えてしまう。彼らがそれを奪い、返しに行く際に付けようとしたのだ。そして彼らと追ってきたサーカス団は禁断の谷へと迷い込み…そこには、恐竜の世界がひろがっていた…。

恐竜100万年に続くダイナメーションによる特撮効果ハリーハウゼンによる恐竜が大暴れする古典的SF特撮映画です。

まだCGのない時代、合成とストップモーションアニメによるイキイキと動く恐竜達に驚かされます。一コマ一コマづつ動かしながら撮影する気の遠くなる様なミニチュア撮影が実写の人間の動きに寸分違わす合わされている合成は、先駆者であるハリーハウゼンの匠をいつもながら感じさせてくれます。

ストーリー的にも禁断の谷、ロストワールドから恐竜が発見され、街に見世物として送られると言う、元祖特撮映画のキングコング的な内容で、かつジュラシック・パーク2であるロストワールドに酷似しているプロットですね。正にこちらに対してのオマージュです。プテラノドンの下りなんかは明らかに3がオマージュを捧げてますが(笑)

ハリーハウゼンの細やかな演出はやはり凄い。一番お気に入りはアルゴ探検隊の骸骨騎士ですが、こちらも人との合成の見事さも負けていません。エオヒップスの動きと合成シーンは正に生きているかの様ですから。

登場する恐竜は4体と少ないですが、題名にもなっているグワンジ(ティラノサウルス)は正に主役の活躍。都市で暴れだすシーン、ラストの大聖堂と見せ場があり、素晴らしい動きと映像美を見せてくれます。都市の逃げ惑う群衆のモブシーンが迫力があり、グワンジの活躍を引き立ててます。

恐竜100万年と比べても更に技術が上がってますし、迫力もありますが…ヒロインは圧倒的に前者がセクシーで軍配が上がりますね(笑)

古典的特撮映画の素晴らしい世界へあなたを誘う作品。ジュラシック・パークを好きな方は元祖を是非見てほしいですね。
滝和也

滝和也