Jun55

マンハッタンのJun55のレビュー・感想・評価

マンハッタン(1979年製作の映画)
4.5
独立系の映画館Film Forumでの上映の機会を捉えて観賞。
NYに住みながら、この映画を観たことがなかったので、良い機会に恵まれた。
ウディアレンの映画は、これまで余り意識してこなかったが、やはりNYに住んでいると、この人に行きつくのかもしれない。
ニューヨークの混沌とした感じや、退廃的な感じを、独特のユーモアで包み込む。
ニューヨークだからこそ、必死に生きていく必要があるのだろうし、人生を真っ直ぐに見続ける心の重さや、混沌とした多様性の中で葛藤する心をユーモアにし、そこに心の温かさを求める。
度々起こる観客の笑いは、ニューヨーカーだからこそ分かる!、という自尊心の現れのようにも感じる。
ニューヨーカーは、基本、喜怒哀楽の振れ幅がとても大きいのだけれども、その中で哀が重要で、皮肉とユーモアが、喜怒哀楽の仲を取り持つ感じ?
冒頭のジョージ・ガーシュウィンの音楽と、ウディアレンのナレーション、これがManhattanの全てを凝縮していて、もしニューヨークとは?、と訊かれた場合の答えになるのかもしれない。
ニューヨーカーのジョージ・ガーシュウィンの音楽もこれまたニューヨークらしく、見事にフィットしている。
Jun55

Jun55