深い深いこころの傷
『砂の器』とこの『ソフィーの選択』は
全編通して見ていないのに 一場面だけが非常に心に残り その場面が余りにも悲しくて
心に深い傷を残した私のトラウマ映画である しかも どう考えても私の弱い琴線をズタズタに引き裂くほどの場面だけを たまたまつけたテレビで目撃してしまうとは
なんと運の悪い事よ
ホロコーストの悲劇として描くのでなく
1組の男女の関係性を作家志望の目を通して描かれ ソフィーという暗い影を纏う女性の過去を彼女自身の告白という形で露呈される 余りにも残酷な選択である
その選択を迫る男の非情さが淡々としていて まるで 二つの荷物の内どちらかを置いていけと言うような素っ気なさで
選べないと答えると ならば 両方を燃やすだけだと言い放つ
その後の 男が泣き叫ぶ少女を連れ去る後ろ姿と それを見送るソフィーの泣き顔が
私の心に焼きついてしまった
その焼印はその後消えるどころか
形を変えて今でもくっきりと残っている