青

私の中のあなたの青のネタバレレビュー・内容・結末

私の中のあなた(2009年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

遺伝子操作によって、血液系疾患を持つ兄弟と一致する血液型を持つ子どもがいる。
白血球の血液型は数万人に1人の割合でしか一致しない。しかし、兄弟なら1/4の確率で一致する。もっと確実にしたいなら、先進医療によって確実に一致する胚だけを妊娠させるやり方がある。そうやって産まれた子は、救世主兄弟(savior siblings)やドナー・ベイビーと呼ばれる。それでも、治療が成功して病気を抱えた兄弟が助かるとは限らない。
子どもの手段化では?とか、救世主兄弟の負担を考えていないとか、救世主兄弟が自身の出自について悩むリスクなど、当然、色々議論されている。

同じような病気の人が身近にいるので、病棟での患者同士の自己紹介の仕方や(病名付き、「レアだね」と言う感じ)、治療を茶化したり(「点滴カクテル」)、CVに繋がっているルート類をカチャカチャしたりする感じがリアルだと思えた。
当事者家族が観れば、母親が暴走して当事者の想いを組み取れないことや、血液型が一致しなかった兄弟が無力感に襲われる場面は、観ていて苦しくなると思う。
患者の精神面はリアルな割に、治療の説明や症状の描き方は誤解を生みそうだと思う。医療情報の精度としてどうなんだろう……と心配だ。放射線療法後に消化に悪いフライドポテトを食べるか、普通?アメリカだから?
途中、鼻カニューレが飾り化していたことは目をつぶる。

ただ、最後、
姉を救えなかったことに対して、救世主兄弟はもっと大きく揺らぐと思う。妹の精神状態が大人すぎてびっくりした。
青