まるちよ

マッドマックス/サンダードームのまるちよのレビュー・感想・評価

2.5
言及はされていないものの2の直接的な続編。
主人公は前作に引き続き元警官のマックス。
前作よりもさらにスケールアップして、砂漠に興ったバータータウンという物々交換で成り立つ街が最初の舞台になり、原始的な風体が特徴の最後の部族が暮らすオアシス、そして多くは語られないものの、崩壊したオーストラリアシドニーと、様々なシーンを見ることが出来る。
前作では明言されていなかった「核戦争」というキーワードが今作では語られるのも特徴。

2の時と同様に、無愛想で口数こそ少ないもののいざという時には弱者を守るマックスのキャラは変わらず。
最初はバータータウンのアウンティの指令で動き、マスターブラスターの弟を殺すことができず、最終的に最後の部族に肩入れする流れなんだけど、他者のために不器用ながら力を注ぐマックスはやっぱかっこいい。

FuryRoadまではいかないけど、奇形キャラが登場する。
マスターブラスターの弟は、グーニーズのスロースみたいな障害児だし、兄のマスターは小人症。
無名の豚の飼育係の兄ちゃんもなんかおかしい。
こういった登場人物が重要なポジションを占めるのも見ていて面白い。

ホコリまみれで、豚の糞便で発電、そして公開闘技場であるサンダードームで殺し合いをする汚い大人の世界であるバータータウンと、きれいな水があり、無垢な子供しか居ないオアシスの描写が対になっている。
単純な対決ものになるのかと思ったら、最後は最後でアウンティが見逃してくれたりと、世界がおかしいのであって人はまだそんな捨てたもんじゃない、みたいな感じで拍子抜けだった。

オアシスの最後の部族は、Falloutのリトルランプライトの元ネタなんだろうか。
砂漠に不時着した旅客機を崇めていたり、そういった細かなシーンがものすごい心を打つ映画だった。

◆良いところ
- 良くも悪くもハリウッド寄りの作風になっている
- 崩壊した文明の様子がきっちりと映像で見れる
- わかりやすい

◆悪いところ
- 毒が抜けてしまった
- 2の犬に続きサルが今度はかわいそう
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