もものけ

クレオパトラのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

クレオパトラ(1963年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

その高すぎる鼻(野望)の為に、身を滅ぼしたのかねぇ〜……。

同じローマ人ポンペイウスとの闘いに遠征してきたローマの将軍ユリウス・カエサルは、エジプトの王宮での饗しに、魅力的な女と出会う。
どうか、力を貸して欲しいと懇願する、その女こそ後の女王クレオパトラだった…。


感想。
いわゆる、ハリウッド超大作といれる部類になる作品で、制作費と4時間を超えるスケールで描く歴史戯曲。
映画で歴史を学ぶなかれとはよく言いますが、ローマ軍の亀甲陣形や、ローマ凱旋での4頭立ての戦車、ローマ共和制とエジプト王政の違いなんかは、よく再現されていたと思いました。
まぁ、2000年も前の話なので、パピルス紙や壁画文字なんかでしか知り得ない当時の出来事です。
それをヘロドトス著「歴史」やタキトゥス著「年代記・同時代記」などの書物で語られた物語としてしか、想像できませんけど。

エリザベス・テイラーのクレオパトラとして演じる、美しすぎるエロティックな魅力に翻弄される、前半ユリウス・カエサルと後半アントニー・マーカスの二人のローマ人の破滅と身を滅ぼした女王を凄まじい映画セットで、圧倒的スケールの歴史戯曲ですが、歴史にあまり興味がないと、かなり眠くなってしまいがちでもありました。

とにかく、装飾品・衣装・軍装・調度品に至るまで、造り込みが素晴らしく、セット内での撮影シーンが多いとはいえ、大迫力のオペラを観ているかのように鑑賞できます。
シーンごとのクレオパトラ衣装の荘厳さは、まさに王族の威厳を表しているかのように、エリザベス・テイラーの美しさと相まって、ファッションショーを観ているかのようにウットリさせてくれます。
しかも、衣装を造りたての色合いではなく、使い古した汚れや、色合いの落ち着きなんか、わざとらしさがない時代を思わせる素晴らしい造り込み。

ロケーション撮影シーンの陸戦と海戦の迫力も凄く、CGのない時代に創られたのに、よくここまでと思うくらいにハリウッドの凄さを感じました。

個人的に印象的なのは、クレオパトラがローマへ凱旋してくるパレードですが、これがまた異国の舞いが次々とド派手に演出され、最後にスフィンクスに乗って現れるという仰々しさ。
当時にこんなの見せられるだけでも狂喜乱舞してしまうのに、それを演出して魅せてくれくれるのは圧巻です。

しかし、物語は割と恋愛をメインにしているので単調。
前半と後半での進み方も一緒のためか、やや長さを感じてしまいます。
作品として、装飾と衣装を楽しむ超大作として観るイメージだったので、3点を付けさせていただきました!!

エリザベス・テイラーのエロティックな美しさには、国を捨てて尽くしたくなります、クレオパトラへのように。
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