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愛と宿命の泉 PART II/泉のマノンのHKのレビュー・感想・評価

4.8
マルセル・パニョル原作の小説をクロードべリが映画化した2部作映画の続編。

は~い。こっからは前作、泉含め土地を取られてしまったジャンの娘のマノンの復讐劇ですよ。

しかし、マノンを演じるエマニュエル・べアールさんの美しさよ!どこか冷たい雰囲気が漂うあの瞳の色も吸い込まれるような魅力があります。

まあ、前作で見事に泉をゲットしたスベラン家がマノンの策略により地に堕ちるという因果応報な復讐劇なのですが、村人みんなが窮地に陥ることをやってしまうため、ちょっとやり過ぎなのではないかと思った。第一恨む相手は二人だけでいいのに、泉をせき止めるなんて村人全員が被害を被ることをしてしまうのはなんかちょっと嫌であった。しかもそのことについては何一つ反省してなさそうだもの。挙句結婚して幸せを得てしまうのも腑に落ちぬ。

ウゴラン君は彼女に一目ぼれし、彼女にとんでもないことしてしまったこと、そして恋が実らない現実に絶望し自殺。セザールおじさんは盲目のお手伝いさんから真実を伝えられ絶望し眠るように死亡。見事に地獄に落ちていきましたね。

映画全体の雰囲気はヨーロッパ映画らしいどこか物静かながら荘厳な雰囲気に包まれていてとても魅力的であった。個人的にはセザールおじさんとお手伝いさんの最後の墓場での会話シーンは好き。

かなり面白い映画であった。プロヴァンスが舞台ながらも終始冷たいベールに包まれた作品で、今後も見ていきたいと思った。

掘り出し物の鬱映画ではけっこうお勧め。
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