広島カップ

ナイル殺人事件の広島カップのレビュー・感想・評価

ナイル殺人事件(1978年製作の映画)
3.8
痩身のデビッド・ニーブンが脇にいることによりピーター・ユスチノフ(エルキュール・ポワロ役)のデップリお腹が際立ち、ジョージ・ケネディとデッ腹と対決をしている。
またピーターはジャック・ウォーデンと一歳違いで両者バチバチしているし、ジェーン・バーキンとミア・ファーロウも一歳違いで対抗意識が鮮明(?)です。
こうしたオールスターキャストだと、どうしてもこうしたバチバチを自然と感じてしまいます。

エジプトの青空を映すナイル川の川面や、エジプトの遺跡群も美しくて完全に彼の地が「こっちにおいでよ」と誘ってくる。
本作の4年前製作『オリエント急行殺人事件』に続いてポワロシリーズと正面切って謳ってはいませんが、明らかに兄弟作品的なクリスティー物の佳作。
謎解き済んで日が暮れて...生き残った一堂が下船する時にポワロが老女に向かって「今度またお会いした時にはオリエント急行の事件についてお話ししてあげますよ」と言うシーンがニクイ。

鏡に強烈な光が反射してギラギラしてるミラーマンのような名前の監督ジョン・ギラーミン。
『タワーリング・インフェルノ』(1974)や本作のようなオールスター大作を手堅く纏める才能があったのに、本作以降は『シーナ』(1984)という際物を経由してデクレッシェンドしていった謎多き監督。
誰が?何が?彼を殺したのか?
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