【REVIEW】
子どもの頃に今作を観たっきり、他の作品も観たことがないので新作に向けて観ていこう。
正しさや合理性の追求よりも、異端・未知を理不尽に排除することで保身に走ること。未来への貢献よりも、今の状況を変化させないという目先の利益に捉われること。これらは人間の歴史の中でも繰り返されてきた愚かで醜い行い。
今作は人間と獣の立場を逆転させることで、人間に対する普遍的な風刺・批判を心に通しやすくした傑作SF。
一方的な批判を観客の心がブロックする前に、先に立場を逆転させておくという構図は『バービー』(2023)でも見られた巧みな手法。人が感情移入を拒みそうなタイプの批判は、やはり「逆の立場になる」という力技で通すのが一番効くらしい。
トリッキーな音楽やディテールの凝ったセット、そして特殊メイクによる独特の世界観作りは突飛な設定にも着実にのめり込めるだけの説得力を持たせている。
あまりに有名なので観る前から知っている人も多そうだけど、焦らして焦らしてのエンディングへの展開の運び方も本来かなり秀逸なはず。
首尾一貫して人間の愚かさを描き上げ、1作で非常に完成しているので、初鑑賞の続編がどうなるか期待。
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観た回数:2回
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【星つけた際の"個人的"評価・好み】アニメ版
※作品のウリじゃなさそうな部分は「-」
総合点84pt/100pt 星換算★★★★4.2
95=スタンディングオベーション/90=大拍手/80=最高!/70=すごい!/60=良い/50=不足なし/40=あと一歩欲しい/30=うーん/20=さすがにちょっと/10=Z級
《配点》
★好み(主観によるただの好み・印象の強さ)
84pt/100pt
★監督(コンセプト・元ネタ選定・主題・固有演出)
92pt/100pt
★脚本(設定・起承転結・言葉・脚本でのテンポ)
95pt/100pt
★撮影(構図・カメラワーク・撮影での映像美)
78pt/100pt
★演技(演技力・役作り・演技のインパクト)
77pt/100pt
★編集(カット・編集でのテンポ・音ハメ)
79pt/100pt
★音響(録音・音響)
79pt/100pt
★音楽(サントラ・歌曲)
89pt/100pt
★美術(キャラデザ・衣装&メイク・セット)
94pt/100pt
★配役(キャスティング)
78pt/100pt
★VFX(VFXのクオリティ・VFXでの映像美)
77pt/100pt