〓映画ＴＫ３６５／２１６〓
◁ ２０２５▷

▫舞妓 Haaaan!!!
▫配信／U-NEXT
▫️Y!レビュー ★★★★☆４.０
▫️Ｔ Ｋ評価： ★★★☆☆３.５
▫️映画ＴＫ通算： ５２１６本
▫️Filmarks通算：４２１６本

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「もう、死んでもええわぁ。」

三味線の音が聞こえます。その音を合図にたくさんのカメラを持った舞妓フェチが舞妓を探して四方八方から集まって来ました。

主人公は舞妓のサイトの管理人です。舞妓さんに対する情熱が凄すぎるほどの舞妓フェチなのが笑えました。

本当にこのような人たちが存在するのかは知りませんが、可愛らしくて美し過ぎる舞妓さんに憧れる気持ちは分かります。

舞妓さんに対して凄まじい情熱を持つ主人公の暴れぶりに、呆れながらも笑えます。

阿部サダヲらしい、阿部サダヲならではのハイテンション映画です。

友達と一緒に、笑いながら観るのにちょうど良いです。何も考えず、大声で笑いたい映画です。

こんなハイテンションぶっ放しな映画も良いのではないでしょうか。

「おおきに。
おこしやすぅ。」

学生の頃に、何かで感じた衝撃や感動、
何かに魅了されハマる体験って、1つか2つは誰にでもあるはず。
(-。-)y-゜゜゜

私の場合、高校時代は演劇だった。
新入生歓迎公演と題した演劇部の公演。タイトルは「銀河鉄道の夜」。衝撃的だった。
自分とさして変わらない年齢の学生たちが、
舞台上で演技し躍動する姿を見て、鳥肌が立った。
( ﾟдﾟ )!!

大学時代は競馬かな。たった1〜2分で1000円が30万円になり、
1万円が90万円になった時のあの興奮は、それはもう筆舌し難いもので、、、

ん？
( ﾟдﾟ)ﾊｯ!

これは学生が馬券を買える世界の、パラレルワールドの話でした〜。
(；^ω^)

この映画は、京都の舞妓に魅せられ人生が狂った、一人の男の物語。
阿部サダヲ演じる主人公、鬼塚公彦は、
学生時代の修学旅行で京都に行った際、出会った舞妓の美しさに魅了され、衝撃を受ける。
以後、京都や舞妓を愛する、東京のサラリーマンになる。

京都に転勤した鬼塚は、舞妓さんと遊びたい一心で、お茶屋に通い詰める。
しかし「一見さんお断り」の厳しいルールに阻まれ、
その夢はなかなか叶わず、、、というお話。

阿部サダヲの俳優キャリアは、劇団時代の看板俳優を経て、
ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」や、
「木更津キャッツアイ」などで見せた独特の存在感により、
個性派俳優の名脇役という位置を、すでに確立していた。

そして、今作でとうとう映画初主演になった段階。
センセーショナルな映画タイトルと、印象強いスチール画で、
いよいよ登り詰めたなぁと、感慨深げにそれを眺めた記憶がある。
( ´ー｀)y-~~

コメディ要素強めの作品出演が多く、
この映画も、バカバカしいくらいのコメディ一辺倒な作品。
コミカルな動き、表情豊かな顔芸、針の振れたハイテンションなやり取り。
この作品で阿部サダヲは、和製ジム・キャリー的な地位を不動のものにした感じだった。

ヒロインは一応、柴咲コウだったが、柴咲コウも酒井若菜も舞妓姿になると、
いつもよりも顔が怖く見え、可愛さが消え、舞妓が全く合わない印象。

逆に早織(小出早織)は、舞妓役が恐ろしい程にハマり役で、
この作品は早織の舞妓姿の可愛さで成立していた。
あまりにハマり役過ぎて、ヒットしたこの後も主演作などあったけれど、
今作がピークで絶頂だったと、感じてしまうほどだった。

ストーリーとしては、阿部サダヲと堤真一に、ある因縁があり、犬猿の仲の設定で、
バチバチとやり合うドタバタコメディなのだが、
確かにバカバカしさがあって面白いのだけれど、度が過ぎる飛躍的な展開となり、
空想漫画的なやり過ぎシーンにシラケる瞬間は、何度かあった。
やり過ぎるとお芝居ではなく、コントに見えてしまう現象。
コメディ映画にありがちな話だ。

また、笑いに針が振れている為、たとえば舞妓と元カノ、どちらを選択する等といった、
主人公の心の揺れ動き部分が、だいぶ雑になっていた。
これは、堤真一演じる貴一郎の方も雑だった。

なので、コミカルで面白いのだが、一方で感動的にはならないし、
ホロっとするいい話にも感じない。
ゆえに、いい映画を観た後に必ずくる余韻的なものは、残念ながら無かった。

ただ、学生の頃に感じた、何かを体験した時の衝撃、何かに魅了される体験、
忘れられない経験の思い出などの類いは、
少し思い出せたような気がする。
ちなみに、植木等の遺作がコレというのも面白い。

良かった演者
阿部サダヲ
早織(小出早織)
伊東四朗
生瀬勝久
北村一輝
植木等