みかん

ユージュアル・サスペクツのみかんのネタバレレビュー・内容・結末

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

いやぁ~、面白かった!
ずっとハラハラしっぱなしで展開が全く読めなかった!
大どんでん返し作品として有名な作品ですし、構えて見たけど楽しめました!

ブライアン・シンガー監督は『ボヘミアン・ラプソディー』を手掛けた方なんですね。
脚本を担当したクリストファー・マッカリーは本作でアカデミー脚本賞を受賞しています。
この方は『ミッション:インポッシブル』シリーズの監督でもあり、『トップガンマーベリック』の脚本もやってるんですね。
二人とも当時二十代だそう。すごすぎる。

一度罪を犯し転落したら抜け出せない。
でっちあげ事件による面通しで警察に召集された、元警官のキートンを筆頭とする5人の容疑者たち。
タイトルの"ユージュアル・サスペクツ"とは常連容疑者って意味だそうです。
彼らは覚えのない嫌疑への報復として、密輸業者を護送中の汚職警官を襲い、金を奪うことに成功します。
このときは無血作戦として決行し、警察の汚職も世間に知らしめ報復も成し遂げて、上手くいっていました。
キートンは最初は足を洗おうとしていたけど、結局話に乗ってしまってずるずる罪を重ねることになり、破滅に向かっていくことになるんですね。
ソゼという謎の男から、外国麻薬組織のコカイン取引の妨害を命令され、キートン達は家族や恋人を人質に取られ、逆らえずに作戦を決行。
本作はこの事件の生存者であるキントの回想によって語られていきます。
ソゼとは誰なのか?
彼の姿を見たものはいないし、ソゼは実在しないのでは?
でも着実に忍び寄る影はあるし、姿を見せない存在の不穏さが始終漂っていて、恐ろしかったです。

障害があり気弱そうなキントを捜査官は弱くて何もできないと揶揄する。
人がいかに見た目に左右されやすいかって実感する話でもありました。
私もまんまと騙されてしまいました!
ラスト、引きずってた脚をすっと戻して歩きだした瞬間、ゾッとしましたね。
人間がもつ二面性の狂気さと奇妙さが感じられる作品でした。
全てがわかってから見ると、かなり違和感があるシーンもあるのかも。
そんな違和感に気づけなかったことも怖い。
また見返したいと思いました。

本作の中で、「ニューヨークは雨だってさ」っていう、マクナマスの台詞が何だか好きでした。
作戦を前に、死を予感してニューヨークを思ってふと郷愁に駆られたのかもしれない、そんなさりげない一言。
それまでハラハラしっぱなしのサスペンスの中で、急にセンチメンタルな台詞がニクい演出だと思いました。
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