滝和也

ショーシャンクの空にの滝和也のレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
4.2
希望。

人生において
大事なモノ。
歩き続けるために
必要なモノ…。

「ショーシャンクの空に」

言わずと知れた超名作。実は…90年代のこの手の作品は避けてるかの如く見てなかったりします。まぁ…若く多忙だった頃ですからね…。とは言え、どうやら刑務所モノらしいという程度は知ってました…。

アンディは無実の罪で終身刑をくらい、ショーシャンク刑務所へ投獄された。苛烈なクズたちの暴行を受けながらも、元銀行家と言う頭を使い、調達人と呼ばれたレッド達と仲間になり、看守、所長たちにも一目置かれる仕事をし始める…。

前半の内容は塀の中の懲りない面々の優等生バージョンかと思いきや、塀の中でも人としてなすべき事をするアンディが友情を深めていく展開。そして後半、サスペンスへと変貌、驚愕のラストへと繋がって行く。そこには一本、柱がきっちりと立っている事が見事な人間ドラマとして成立させている。

希望と言うキーワード。

アンディが無気力にならず、何かに邁進できているのは、その希望故。その希望が何かは見て判断してほしい。人生には希望が必要であり、それあるところ、道は開けると言う展開が清々しさを持ってこの作品を名作に昇華した。

やもすると、ただの刑務所ものになってしまう話をそこまで昇華させたのはフランク・ダラボン監督。体制、公僕に追われた中、難民として出生した過去を持つ反骨の人だけに、スティーブン・キングの名作を骨太かつ繊細に仕上げている。

アンディを演じたのはティム・ロビンス。飄々と何を考えているかわからない部分があるキャラクターを見事に演じ、あのラストへと見事につないだ。また友情を育む年上の終身刑を受けているレッドに名優モーガン・フリーマン。彼のモノローグが物語を紡ぎ、作品を進めて行くスタイルであり、落ち着いた語り口は正にハマり役。圧倒的な巧さであり、作品を高めているのは間違いない。

前半の老いさらばえて、仮釈放となる受刑者の末路を含め、きめ細やかな前振りが散りばめられたストーリーもサスペンスとして超一流であり、全く予想だにしない展開は正に驚愕だった…。

その希望、友情、信頼が語られる人生と言うドラマ性、サスペンス性、演者とどれをとっても一級品であり、見事なエンターテイメント。今更ながらやはり名作。また再度見たくなる作品でした(^^)
滝和也

滝和也