kazu1961

地球防衛軍のkazu1961のレビュー・感想・評価

地球防衛軍(1957年製作の映画)
3.6
▪️Title : 「地球防衛軍」
Original Title :※※※
▪️First Release Year:1957
▪️JP Release Date :1957/12/28
▪️Production Country:日本
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-350 再鑑賞
🕰Running Time:88分
▪️My Review
日本のSF作品のエポックメイキングとなった作品!!
本多猪四郎監督、円谷英二特技監督のコンビで製作された『ゴジラ』と共に日本SF映画のターニングポイントとなった東宝初の本格SF作品です。地球征服を目論む宇宙人ミステリアンと、科学を駆使した地球側の防衛軍との激しい闘いを描いた作品です。
秀逸なのは明確なメッセージ性、核実験や核戦争の被害を受けた日本からのメッセージがストーリー全編に渡り盛り込まれています。ラストの台詞
「高度な科学もその使用を誤ると危険だ!地球はミステリアンの悲劇を繰り返してはならない!」がそのまとめとして全てを語っています。
もう一つの見どころは約60年以上前の作品に関わらず、ミニチュア、レーザーなどのアニメ合成を駆使した特撮はレトロ感満載ながらも見応え十分です。地球防衛隊とミステリアンとの攻防は時の経過を感じさせない迫力あるアクションシーンが展開されています。特にミステリアン基地の光線により戦車や武器がドロンっと融ける演出は秀逸ですね。
そして、時代感ともに愛嬌なのは、日本初の映画に登場する“モゲラ”のフォルム。単調な機械音と目から発射されるプラズマ状の殺人光線が悍ましいですが、愛らしいフォルムが憎めない愛嬌のあるロボットです。このロボット怪獣は今日では“モゲラ”と呼ばれていますが、作中では名称に関する言及はないんですね。さらに、ゴレンジャー彷彿させる宇宙人ミステリアン。「宇宙人のモノマネ」をするとき、喉を叩きながら「我々ハ宇宙人ダ」というマネを子供の頃良くしましたが、これは本作で土屋が演じたミステリアン統領の話し方が元になっているんですね(笑)。
物語は。。。
火星と木星の間に分布するアステロイドベルトは、かつて存在していた惑星ミステロイドの爆発によって生まれたものでした。ミストロイドの住人・ミステリアンは新たな居住地を地球に定め、富士の裾野に巨大なドーム基地を作り上げます。そして地球人に対し、地球人女性との結婚と居住権を宣言しました。防衛軍のミステリアン対策委員会は、地球の科学力を結集、自衛のためミステリアンに総攻撃をかけます。。。
特撮ものとしては初めてワイドスクリーン版東宝スコープを採用した歴史的な作品です。
それにしても、製作スタッフ以外の出演者もこの頃、佐原健二、平田昭彦、白川由美、志村喬と特撮映画はこのキャストばかりですね。多くの怪獣と闘い大変です(笑)。
▪️Overview
「ゴジラ(1954)」「空の大怪獣 ラドン」に続いて製作された空想科学映画である。製作スタッフの中心も、前二作と変らない。丘見丈二郎の原作を香山滋が潤色、更に木村武が脚色し、本多猪四郎が監督した。撮影は小泉一が担当した。ほかに東宝特技班が参加している。主演は平田昭彦、河内桃子、白川由美、それに佐原健二などで、ほかに志村喬、村上冬樹らが助演している。色彩はイーストマンカラー。Perspecta Stereophonic Sound。(参考:映画.com)
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