ホイットモア大統領

ザ・グレイ 凍える太陽のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

ザ・グレイ 凍える太陽(2012年製作の映画)
4.0
『スノー・ロワイヤル』の余韻、そして、『MIB:インターナショナル』の予習としてリーアムの親父を摂取。

この手の定番である “元◯◯”、“実は◯◯” という肩書き。今回のリーアム親父は射撃のプロでハンター。
加えて、妻に先立たれたことで自殺願望があり、口も悪いとくれば『リーサル・ウェポン』のリッグス刑事を彷彿とさせる。つまり、この時点で好きなキャラクター。

そんな親父が飛行機事故で武器も防具もない中、6人の生存者と共に仇敵であるオオカミの縄張りに取り残されてしまう。

ということで、大自然は大自然でも、最大の脅威がオオカミであるサバイバル映画。
このオオカミさんたちがめちゃくちゃ怖くて、いつ襲われるかもしれない緊張感はまるで戦争映画だし、集団で襲いかかり人を喰らう姿はまるでゾンビ映画のようでもありました。

しかし、前まで1番死にたがっていたリーアム親父は、そんな状況下を生き残るため仲間を時に叱り、時に慰め、一人また一人と死んでゆく際は看取る側となる。
その対比演出から “生” を感じていくんだけど、それが頂点に達するクライマックス、「もう一度戦って、最大の敵を倒せたら、その日死んでも後悔はない」と、群れのボス=人生・自分に、片手に割った酒瓶のメリケン、片手にナイフで対峙する親父の何とカッコいいことよ!

仲間の一人でリーアム親父と悉く対立するディアスに、アクション覚醒前のフランク・グリロが扮しているんですけど、この男の決断もまた泣かせるんですよねえ…。