踊る猫

バニラ・スカイの踊る猫のレビュー・感想・評価

バニラ・スカイ(2001年製作の映画)
3.6
音楽を多用したポップな作り方は流石で、脚本も完成度は確かに高い。かなり丁寧に伏線が散りばめられており、リメイク元よりも格段に分かりやすい作りになっている。裏を返せばそれだけ分かりやす過ぎるとも言える。もう少し、デヴィッド・リンチの作品にも似た夢と現実の区別がつかなくなる迷宮を体験してみたかったというのが正直なところ。まあ、そんなことが出来るのはリンチくらいと言われればそれまでなのだけど……メッセージは直球で分かりやすく、これもスキがない作りでこちらに提示されるのでもうひと工夫が必要であるとも思われた。優等生的過ぎるのだ。造り手の愛情が空回りしている印象を受けて、イマイチ前のめりになって観ることが出来なかったのでこの点数になる。個人的にはレフトフィールド(そしてアフリカ・バンバータ!)が流れるクラブの場面で「おおっ」と唸らされてしまった。キャメロン・クロウ、もっと掘り下げてみたい。
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