予定調和をなぞる心ポカポカハートフルストーリーかとナメて臨んだら序盤から人間狩りと死体の山の地獄で分からされた。おじさんと心通わす幼女…みたいなジャケ写トラップよ。やる！👏
「ホロコーストからユダヤ人を匿った男」と聞いて想像する話を上回り続ける展開はシビアで容赦ない。こりゃ人間が考えたフィクションではないなとすぐに気付けます。こんなの思いつくならそれはもう悪魔ですわ
まず主人公のソハ氏が下水道管理のかたわらコソ泥やってる外道だし、匿う代わりにしっかり金銭を要求するし最終的には売り飛ばす計画のクズ。下水道に避難してきたユダヤ人たちもロクなもんじゃなくて、妻子よりも浮気相手を取ったり下水を嫌がって勝手な行動したりで異常にリアル。物語を作る上でやっちゃい勝ちな「不自然なキャラクター属性」とかどうせこうなるんでしょー？的アマっちょろさは皆無です（実話という事は後で知った）
それだけに全く先が読めず143分の地獄がまぁ長い事💀終わる頃にはヘトヘトでボロ雑巾みたいになってましたよ。でも暗くて臭い下水道でずっと陽光を待ち望んでいた彼等の月日を考えりゃハナクソ以下ですね。大変見応えのある作品でありました
ずっと下水シーンかと言うとそうでもなく、地上と地下を行き来するソハ氏の視点があるため余計にその対比が際立ちます。お腹空かせてるシーンがあったかと思えば地上では飯喰ってたり、クツが壊れたかと思えば地上のオシャレなヒールが映されたり…。厳かな教会シーンのすぐ下で祈ってるところはやるせなくて胸が圧迫されたし大雨は絶望で苦しくなった。同じ人間なのに…
あと…死体が…もの凄くしっかり死体なんです😨いつもホラー観てるクセに忘れてましたけど「血の気が失せる」とはこういう事なんだなと改めて理解させられた。今後ホラーでチェックする所が増えそうです
