だい

舞踏会の手帖のだいのネタバレレビュー・内容・結末

舞踏会の手帖(1937年製作の映画)
1.3

このレビューはネタバレを含みます

デュヴィヴィエって監督は、テーマをきちんと話の主軸にして演出することがとにかく下手な監督だと思っていて。
最後だけこうしときゃええやろ。
みたいなとこがある。

この作品についても、
映像の美しさが~とか、
過去を想う儚さが~とか、
何を読んでもそういうことしか書かれてなくて、
ちゃうやろ!この作品で底流にずっと共通させようとしてた(下手すぎて伝わってない)のは、
過去を捨てて、(子供を育てるという)未来に生きるのが幸せなんだぜ!
ってことやろ!

それに気付いてないのか、
「子供がいないと幸せじゃないっていうの!ジンケンガー!キーッ」
っていうひとたちが五月蝿くて気付かないふりをしてるだけなのかは知らん。

・子供が自殺して過去に縛られてる不幸なひと
・子供もおらず現在の金儲けにしか興味ない不幸なひと
・家庭不和で未来が見出だせない不幸なひと
・現状の環境に縛られて未来に踏み出す機会を逃した不幸なひと
・養子がろくでなしで不幸だけど、新妻と幸せな未来へ踏み出せそうなひと
・修道院の子供たちを育てて幸せそうなひと
・家庭も仕事も順調で幸福なひと

どう見てもそれぞれの状況に幸福と不幸を対比させとるんや!
デュヴィヴィエ監督が下手だから伝わらないだけや!

それらを見て、クリクリも、
何が幸せかってことに気付いたから、
初舞踏会に臨む16歳の少女との会話のシーンと、ラストシーンが必然になるんや!
わたしの未来は、この子を育てることね!って。
デュヴィヴィエ監督が下手だから伝わらないだけやぁぁぁ!

いいか!
「白き処女地」にしても「望郷」にしても、
人物の感情の動きを描くのが下手!
というか描く気がたぶんない!
1から10に至るまで少しずつ感情が動いていって、それで最後に10ならではの決断をするからみんな納得するやろ!
ところがこの監督、ストーリー上はずっと1のままで、最後にいきなり10の決断ぶっ込むからみんなついてけないの!
ザ・察しろマン!

だからこそ、デュヴィヴィエ作品には最初から最後まで仏頂面の主人公がよく似合う。
当時、日本でだけ人気あったのはそういうとこじゃないかね。
感情を面に一切出さず忍ぶ者。
それに感情移入できる人なら、突然のラストにもついていけるのかな。訊いてみたい。
だい

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