SAKUMATHENERD

ヤング・ゼネレーションのSAKUMATHENERDのネタバレレビュー・内容・結末

ヤング・ゼネレーション(1979年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

敬愛するライムスター宇多丸師匠の生涯ベスト2(2008年時点)満を持して鑑賞!

アメリカの片田舎インディアナ州ブルーミントンを舞台に大学に行けない落ちこぼれ4人(通称カッター)が自転車レースで一泡吹かせるまでを描く、
地元がしがらむ青春映画。

登場人物皆魅力的なのだが、
主人公デイブに特に感情移入してしまった。イタリアの自転車チームを愛するあまりイタリア人になりきる毎日。彼がレースで憧れていたイタリアチームにずるをされてからお父さんに泣きつき、部屋のポスターを全部剥がしてしまうシーン所で感涙。あれほどまでにのめり込み殆ど自分のアイデンティティだったイタリアの自転車カルチャーが自分のものではないのではないのかと疑問を持つ瞬間は非常に切ない。かくいう私も学生時代にサッカーにしか脳がなく毎日打ち込んでいたものの高校卒業と共に引退。思春期に何かに熱中するも現実を目の当たりにし挫折する瞬間を秀逸に描いている。

このシーンで毎日PAPA(おそらくイタリア語)と父を呼んでいるのでここだけDadと父を呼ばせる(オチにも繋がってきます笑)辺り気が効いている。ここだけでなく全編に渡って細かい所作や言動での登場人物のキャラクターと登場人物同士の関係性を描写してしまうのが非常に上手い。

意外とコメディで笑える所も多いです。
特にデイブの親父が良い味出してます。デイブのイタリア被れっぷりに困惑し文句を垂れながら素直に受け入れてあげれない様子はコメディーリリーフとして機能しています。
肝心な所でちゃんと息子の背中を押してあげたり、最後のレースは観に行ってあげたり、
となんだんかんだ良い父でしたね。

ラストのレースは天晴れ!
フランス留学生との交流は新たな恋を予感させます。デイブ君にはあのままツールドフランスを目指してまずはフランスに被れ散らかして親父をアタフタさせて欲しいです。
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