hana

それでも生きる子供たちへのhanaのレビュー・感想・評価

それでも生きる子供たちへ(2005年製作の映画)
3.9
"All grown ups were once children but only a few of them remember it. (Antoine de Saint-Exupéry: Le Petit Prince)"
全ての大人達はかつては子供だったが、それを覚えているのはほんの一握りだ。(サン・テグジュペリ:星の王子さまより抜粋)

世界各国で過酷な環境の元生きる子供達に焦点を当てたオムニバス映画。少年兵として生きる少年、HIVに感染した少女、強盗常習犯の少年、刑務所暮らしの少年、ホームレスに拾われた少女等敢えてヘビーな現実を見せることて、かつては子供だった大人達に社会的な善悪を問い掛けてくるようだ。

手掛けるのはスパイク・リー、リドリー・スコット、ジョン・ウー等錚々たる面々。各話20分と短いながらも、監督の手腕が光る印象深いストーリーばかり。

その中でも印象的だったのは、エミール・クストリッツァ監督が描く刑務所暮らしの少年の物語。厳しい現実をユーモア満点に描いていて、纏め方も秀逸。
スパイク・リー監督が手掛けたHIV感染した少女の物語も辛くはあったが、逃げずに立ち向かう少女の姿勢に心揺さぶられます。今や治る病気となったエイズ。日々進歩する医学の情報を人々が積極的に取り入れる事で、偏見や差別が少しでも無くなることを願う。

人間はどんな環境でも夢や希望を与えてくれる対象に出会うことが出来る。自分の考え方次第で堕落することもあれば、幸福になることも可能。日々の生活で見過ごしがちな大切な事を教えて貰った気がします。
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