こたつむり

殺人ゲームへの招待のこたつむりのレビュー・感想・評価

殺人ゲームへの招待(1985年製作の映画)
3.0
★ ミステリ×ボードゲーム÷映画=??

ボードゲーム『Clue』。
このゲームは“犯人を捜す”ことが目的。
サイコロを振り、カードを引き、対人で駆け引きしながら推理する…ミステリ好きならば「一度はプレイしてみたい」なんて思うゲームなのです。

そして、本作はそれを下敷きにした物語。
「古びた洋館(隠し通路が満載)に集められた六人の男女。彼らはお互いに面識がなく、なぜ集められたのか解らなかったが、実は“ある共通点”で繋がっていた。そして、鳴り響く銃声。転がる死体。はたして犯人は誰か…?」なんてミステリ。

本作の目玉は“結末が一つではない”こと。
視聴開始時に「ランダム」を選択すると、どの結末が現れるのか…解らないのです。うひひ。ゾクゾクする仕掛けですよね。そりゃあ「犯人は誰か?」なんて推理したくなるのは至極当然。

また、登場人物を演じる役者さんたちも、いわゆる“いぶし銀”の俳優ばかり。だから、配役から犯人を想像する…なんてメタ思考も通用しません。いやぁ。これは難易度高そうですよ。

まあ、そんなわけで。
ミステリ好きならば挑戦してみたい作品。
灰色の脳細胞をフル回転させて挑んでみるのも乙だと思います。

※※※

ここからは余談。
ネタバレは含みませんが、事前情報を仕入れたくない人は読まない方が吉。

鋭い人ならばお解りだと思いますが“結末が複数ある”ということは“どのように解釈するのもアリ”ということ。劇中に出てくるヒントだけで推理するのは厳しいと思います。あくまでも、複数存在するルートの中から選択するだけ…に過ぎないのです。

これはちょっと萎える話ですよね。
でも、ゲームに喩えるならば、自由度が高いゲームを好む人もいれば、一本道のRPGが好きな人もいるわけで。本作のような“マルチエンディング”を望む人にはピタリとハマる…のかも(個人的には「真実はひとつ!」と叫ぶミステリの方が好きですが)。

また、コメディ色が強い脚本なので、最初から割り切って鑑賞したほうが良いのかもしれません。確かに冒頭から執事が×××を踏みますからね…。あれで屋敷内を歩くのは欧米では普通なのかな?うげぇ。
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