マカロニ・ウェスタン×007でシュガー・コルト(原題)になるらしい。
007の大いなるバッタもんを期待する。
が、そうでもなくてあんまり007風味は感じられなかった。時代的にはコネリーボンドの時代だが。　
南北戦争終了後、北軍兵士が多数行方不明になる。ここがスペクター的事件？元諜報員のシュガー・コルトへ親戚のピンカートン探偵社の叔父さんから捜索の依頼がくる。
医者に成り済まして行方不明となった「まむし谷」へ潜入する。
秘密裏に潜入捜査するところが言われてみれば007な雰囲気ある。
怪しい医者とそれを怪しむ人々のやりとりは定番ながらコメディ調で普通に楽しめる。
途中いきなり正体を明かし敵を倒していく。暗闇の中の銃撃戦や手足を縛られた状態からの脱出銃撃戦なんかはまあまあ面白い。
最後も敵味方大人数が入り乱れて大乱闘も007の雰囲気はある。
口八丁的な憎めない主人公のシュガー・コルトは何度も袋叩きに遭うのは衝撃的。
ボンド・ガールに当たるソリダッド・ミランダさんはジェス・フランコ作品のほうが爆発的に可愛い。
まあ陽気な変わり種ウェスタンでした。

総勢100名に及ぶ北軍兵士の拉致事件を受けて、一匹狼の諜報員が捜索を開始する。南北戦争終結後のメキシコを舞台にして、西部劇とスパイ映画を掛け合わせている、異色のマカロニ・ウエスタン（イタリア製西部劇）。

往々にしてマカロニ・ウエスタンの主人公は「喋る前に撃つ」が基本なのだが、本作の主人公は海千山千の元ピンカートンのため、コミュニケーション能力で勝負する。医者に変装した隠密行動がユーモア満点に描かれており、後半まで射撃しないところが特徴的。

ヒロイン枠では、ヌード女優に転向する以前のソリダッド・ミランダが出演。凛々しくも儚げな立ち居振る舞いが異彩を放っており、エロティック路線に入る前の演技スキルを堪能することができる。

西部劇の世界観に登場するスパイ・ガジェットもまた痛快だが、重要な局面で活用されずに、凡百のガン・アクションへと移ってしまう。その一方、敵対組織に拉致された兵隊たちを戯画化させて、風刺を含ませる手法があまりにも秀逸。

西部劇にスパイ映画をかけ合わせるという面白さ！マカロニは自由で良いねえ。軽妙な持ち味で観ていて楽しい。悪役の末路も素晴らしいカタルシス。しかし邦題に用心棒って無闇やたらにあり過ぎだろう。ぜんぜん用心棒なんてしちゃいない。