ろ

彼岸花のろのレビュー・感想・評価

彼岸花(1958年製作の映画)
4.8
「自分で、自分の幸せを探しちゃ いけないんでしょうか」

ア〜おもしろかった!
やっぱり小津さんの映画はステキ!
笑えるのはもちろん、うれしくてうれしくてたまらない気持ちになりました。

今作では山本富士子さんが京都弁を話す おきゃんな娘さん役なのですが、もうとにかく可愛い!!!市川監督が撮る彼女は艶っぽくてムードがあるけれど、小津さんが撮ると、本当に愛らしいの!
そんな富士子さんと、今回の結婚騒動の主役 有馬稲子さんの指切りげんまん!たまらんですなぁ(#^.^#)♡


お年頃の娘 節子(有馬稲子)。
娘を心配して、お父さんはお見合いをセッティングしようとする。
そんなある日、節子の恋人がやって来て...。

そうそう、今作は笠さんがお父さん役じゃないの!佐分利信さんなんです!
というのも、このお父さん、娘をガミガミ怒ったり、矛盾したことを言ったり、愛想がなかったり。笠さんのイメージと真逆をいってるんです!
なかなか結婚を認めないお父さんの意地がとてもリアルに見えました。

そんな娘を泣かす頑固オヤジをみんなで説得。

お母さん(田中絹代)のセリフ。
「お父さんて方はね、何でも自分の思うようにならないとお気に入らないのよ。『節子にボーイフレンドでもあれば心配しない』と言ったのに、今度は不賛成だなんて、ご自分でおかしいと思わないの?」

京都からやって来た節子の友人 富士子さんはお父さんに一杯食わせる。
自分の恋愛相談と見せかけて、強引に節子の結婚を認めさせます(笑)

式の準備が着々と進み、お父さん、心底面白くないという顔をする。

そして結婚式前夜。
みんな揃ってご飯を食べるのもこれが最後かな...と、ちょっと寂しい雰囲気。
テーブルには果物盛りやジュース、コーヒーが並ぶけれど、お父さんはまだ帰って来ません。

肩を落として部屋に戻った節子。
やっと帰ってきたお父さんの手には包みが。
中には白い手袋が入っていました。
お母さん、目を輝かせて、「お父さん、お赤飯あがる?」


もう本当に、幸せをありがとう〜〜!って、叫びたくなっちゃいました(*´꒳`*)

「しかしあれだね。子どもってやつも、子どもだ子どもだと思ってるうちに、いつのまにか大人になってるもんだね」
ろ