こたつむり

オペラ座 血の喝采のこたつむりのレビュー・感想・評価

オペラ座 血の喝采(1988年製作の映画)
3.5
♪ お前は求めているんだろ
  刺激に抱かれた Making love
  身体に布きれ装っても天国へ行けないぜ

ビー玉のようなカラスの目。
悍ましい美少女への拷問。
そして、足元に転がる死、死、死。

まさにダリオ・アルジェント監督の真骨頂。
赤黒い世界観に鳥肌が立つサスペンスでした。
しかも、真相を明らかにせず、薄っすらと匂わす程度の着地点は見事な限り。知的好奇心がそそられるのです。

だから、鑑賞後にレビューを読むのが面白い!
…なんて思ってネットサーフィン(死語)したら。賛辞の中に転がる「雰囲気映画」「不完全」「矛盾だらけ」「伏線投げっぱなし」「ご都合主義」「意味不明」などの言葉。えー。そんなにヒドイかなあ。

確かに矛盾点はあります。
中弛みもします。
ご都合主義であるのも否めません。
悪ノリ(主人公への拷問シーンなど)が激しすぎて本題を忘れたこともあるでしょう。でもね。物語の中で描かれたものが全て“現実”だとは限らないのですよ。

例えば、×××がゾワリと蠢くカット。
あれは×××が×××た証。つまり、××の××だけが×を×××…って伏字だらけで分からないですね。なので僕の考察(妄想とも言う)はコメント欄に記載しておきます。気が向きましたらご笑覧ください。

まあ、そんなわけで。
一人称の視点が強調されるように“人は見たいものを見る”ことを教えてくれる作品。何も考えずに“恐怖の演出”を楽しむも良し。あれこれと思索に耽って“実験的なミステリ”を楽しむも良し。どちらを選ぶかは…観客次第なのです。懐が大きいなあ。

だから、殺人場面でヘビメタが流れるのも。
もしかしたら意味があるのかもしれないし、単純に「うひひひ。美少女を虐めちゃうゾ」という監督さんの叫びかもしれません。これに関しては…後者だと思いますけどね。
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